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書評 4行に込められた経営者とビジネスマンの心得


16bookreview 著者の奥崎喜久氏は千葉県在住の経済評論家(Ph.D)で、元ネール大学客員教授、日本ビジネス経営研究所理事長、全日本実業団スキー連盟理事長、全国地域づくり工房代表等、元トヨタ自動車社員教育専任講師など、多彩な領域で種々の活動を行っている。そして、元三内丸山遺跡(青森県)の地主という一風変わったご経歴も併せ持つ。これまで「米沢日報紙」にも何度か、ご寄稿を頂いた。
 著者は1990年代から、山形県川西町で女性のための生涯学習団体「ミズアカデミー」理事長として、地方に住む女性たちの政治、経済、国際感覚を養うセミナーを開催、女性の地位向上に取り組み、著者の幅広い情報と知識、さらに国際感覚をもとに女性やその配偶者、自治体関係者や地域住民の意識改革を図ってきた。そのセミナーからは、山形県の女性リーダーと目される人が輩出しマスコミの注目を浴びた。
 本書は、本の泉社(東京都文京区)より2015年4月に発行されたもので、著者が1993年〜94年頃から行ってきた講演資料をもとに、中小企業に重点を置いた「経営者とビジネスマンの心得」として、経営者の気構えやビジネスマンの注意事項などを端的に記述し提案したものである。
 本文は4行からなり、第1章ではフレッシュ社会人に贈る40のヒント、第2章ではプロを目指すビジネスマンに贈る92のヒント、第3章では創造する経営者に贈る228のヒントという、計360のメッセージが掲載されている。
 本のタイトルは「4行に込められた経営者とビジネスマンの心得」であるが、そのサブタイトルには、「1日たった30秒読むだけでいい!」「どのページからでも使える360のメッセージ」とある。
 例えば、第1章5には、「仕事で一回ダメの烙印を押されたら取り返すのに数倍の努力が必要だ。特に新人は言われたことに対し即刻行動が大切。そこで一言多いようでは『何だ、アイツは』などと、もう周囲から相手にされなくなる。何か言いたかったらまず行動に取りかかり、もしそこで無駄・不合理な点に気付いたら、即刻上役にフィードバックしてほしい。」とある。まことに、的を得ているヒントであり、アドバイスである。
 第3章の創造する経営者に贈る228のヒントは、著者自身がいくつかの団体トップであることからしても、日頃、どのような思考で行動されているか知る機会にもなる。
 第3章8には、「『朝、社長は少しぐらい遅く来てもいい』などと考えている企業に繁栄はない。時間はすべての人間へ平等に与えられた絶対的な資源なのだがこの感覚がないからだ。それらを見極め、時間を有効に使った経営者ほど成功している。欧米の経営成功者は朝、社員たちより必ず早く出社し内外情報を分析、日々世界市場の動向に目を通している。」
 サブタイトルが示すように、本書を毎日30秒読むだけでビジネスマン、経営者にとって自分はどうあるべきかといった自己確認と自己検証が可能となるのが本書である。360のメッセージだから、1年で読み切れる。新入社員の研修にも使える内容となっている。(書評 成澤礼夫)

著 者 日本ビジネス経営研究所理事長 奥崎喜久
発行所 株式会社 本の泉社
定 価 1,200円+税
ISBN978-4-7807-1120-9 C0036

(2016年3月10日18:50配信)