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書評 米沢俳句会 平成第十三集『みそさざい』


misosazai13 米沢俳句会(伊藤勉会長)が2年に一度発行している同会の句集。前号の「平成第十二集」は、創刊七十周年記念号として発行した。
 伊藤会長は「はじめに」の中で、平成29年は、記念すべき嬉しい年となったと述べている。それは1月に会員の原田芦雪さん、5月に会員の佐々木清子さんが句集を出版し、原田さんの「考える葦」は寒雷周人として長年活躍された『人間探求』の集大成ともいうべき大作、一方、佐々木さんの「旅・一○○選」は、米沢市にある酒造会社株式会社小嶋総本店が主催する三輪明神参拝に30年連続参加し、その都度、関西、四国、山陽、山陰各地の名所旧跡を訪ねての、いわば吟行作品集である。
 伊藤会長は「このような優れた句集が、同じ句会の仲間によって上梓されたことは、同会にとって大きな誇りであり励みだ」と述べている
 冒頭に、伊藤会長より紹介された佐々木清子さんが「『みそさざい』十三集に寄せて』と題して、原田芦雪さんが「句作り思いつくままに」と題するエッセーを載せている。
 続いて、会友2人、会員18人がそれぞれ10句づつ作品を掲載している。各人がタイトルに使用した語を含む句から一首紹介する 。

遠山に白きもの見え柿日和   猪俣洋子
夏休み終り少年期の終り    小島緑泉 
如月の雨に濡れゐし妻逝きぬ  石口達郎 
八月や夢に敵機の急降下    磯部知子
初一念爪に残して蝉の殻    伊藤 勉
耀変の銀河の海を君と行く   小川孝子
見えぬ妻枝引き寄する花衣   神原省治
幼子の手のひら丸き初明り   木村正子
朝桜神の数式より生れし    佐々木 昭
羽州路や同行二人の花遍路   佐々木泰子
新築の柱組まれて春隣     佐々木清子
蛙田の真上に来たる北斗星   佐藤和雄
野良帰り夕焼雲に癒さるる   佐藤君子
夏峠水神様の水清し      高橋壽子
冬来たる米沢去りてひとむかし 田中寛子
梅雨晴れや吾妻山より雲湧けり 芦澤 聡
野仏の肩にやさしき花衣    永井しげ子 
散りてなほ水面を飾る花筏   濱田洋子
考ふる葦として生く青嵐    原田芦雪
美しきひと日限りの沙羅の花  渡部美知子

 最後に、平成28年7月9日に逝去した会員の戸田三郎さんを悼む伊藤勉会長の弔辞を掲載している。
発 行 米沢俳句会(会長 伊藤勉)
編 集 編集委員会
発行日 平成三十年(二〇一八)二月
非売品