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書評 「宮内よもやま歴史絵巻」


miyauchi 南陽市宮内にある粡町は、400年の歴史を持つ通りである。慶長3年(1598)、上杉家は豊臣秀吉より越後から会津に国替えを命じられた。領地は会津、伊達・信夫、置賜、庄内など120万石である。その際に置賜30万石を治めることになったのが、上杉景勝の重心直江兼続で、その時に宮内の宮沢城に入ったのは、信州飯山の尾崎重誉である。尾崎家は直江兼続の母の実家で、名前は蘭子と言われる。宮内は、北の最上義光に対する場所にあり戦略的な要地であるから、当初、直江兼続はこの地に信頼厚い実家の当主を配したものと思われる。尾崎重誉は、半年で今度は福島に去ることになったが、安部右馬助ら家臣の多くはこの地に残り、今日の宮内の基礎を築いた。
 尾崎重誉と直江兼続の関係が具体的に明らかになってきたのはここ20年くらいで、大河ドラマ「天地人」ブームによって、それは一挙にブレークすることになる。それに合わせて、宮内にある粡町通りの活性化を図ろうと開催したのが「南陽『天地人』絵巻』展である。最初は布による展示で、平成22年からは南陽市のまちづくり活性化補助金を得てアルミ複合板を制作した。同24年度からは、テーマを広げて「宮内よもやま歴史館」となり、計40枚となった。冊子にして欲しいという要望が出て、平成30年5月、松坂世紀記念財団(理事長・加藤秀明米沢信用金庫理事長)からの奨励金を元手に、このほど「宮内よもやま歴史絵巻」発刊にこぎつけた。
「宮内よもやま歴史絵巻」全40巻には、宮内ゆかりの歴史や人物、史跡などが網羅されている。置賜を「東洋のアルカディア(桃源郷)」と称したイザベラバード、尾崎氏、色部といった上杉家関係、宮内菊まつりの歴史、作家小田仁二郎と瀬戸内寂聴、日本工藝デザインの草分け 芳武茂介、東郷平八郎揮毫社号標、宮内繁栄の祖 佐野元貞、日本一の相生の松、吉野石膏株式会社を優良企業に育てた須藤永次、宮内に流れる名家大江氏の血脈、世界に誇る優良生糸「羽前エキストラ」など40テーマが記載されてある。本誌はフルカラーの写真入りで、1ページ1テーマでまとめられているので、とても読みやすい。
 また宮内の今昔と題して、昭和10年や40年頃の写真、昭和8年と平成27年の職業別の街並みの配置図も掲載されて、歴史資料としても貴重なものとなっている。
 このような地元の歴史と人物、史跡などを紹介する「宮内よもやま歴史館」、「宮内よもやま歴史絵巻」は、子供達にやがて郷土愛を育んでいくことにつながっていくだろう。「宮内よもやま歴史館」のアルミ複合板は、毎年場所を変えて宮内内で展示するということであり、この春からの展示が楽しみである。

発 行 粡町商店街(髙橋信彦会長)
事務局 0238−47−2202(高岡方)
発行日 平成30年(2018)9月20日
頒 布 500円

(2019年1月20日15:25配信)