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 書評 「七つ尾」第32号

nanatuo32 公益財団法人七尾城址文化事業団(近江一芳理事長〈七尾市教育委員会教育長〉)が年に一度発刊する機関誌。
 同財団は平成26年度の取り組みとして、七尾城跡国史跡指定八十周年「七尾城跡を世に広めた人たち」の記念展を「フォーラム七尾」で開催した。(会期は平成26年11月28日〜30日まで)
 この記念展では、由緒ある七尾城跡の保存や発展に熱意をもって努めてきた人たちや団体の活動や業績を紹介した。七尾市教育委員会が製作した七尾城のコンピューターグラフィックス、「よみがえる戦国の名城(七尾城)」は、往時の七尾城が視覚的に理解できて大変に好評の様子だった。現在、インターネット・ユーチューブ(「七尾城CG」でアクセス)で閲覧可能である。
 七尾城は室町時代に能登の守護だった畠山氏が11代、169年にわたって支配し、京都文化を能登に注入したことから、能登において畠山文化が繁栄した。天正5年(1577)の七尾城落城から明治政府による国有地払い下げまでの間、加賀藩の保護策(無断立入り禁止)によって保存されてきた。昭和9年12月に国史跡指定となり、現在、日本百名城の一つとして数えられ、日本五大山城としての名声を博しているが、これは廃城となった七尾城を甦らせて国史跡指定を受けたことが大きな理由である。
 本号では、これら七尾城跡を世に広めた人たちの業績を紹介する記念展の模様を特集したほか、記念展に関連した寄稿がなされている。七尾市教育委員会の善端直氏が七尾城のコンピューターグラフィックス作成、斎藤秀夫氏が「明応九年の政変と畠山義総」、上杉家家臣の末裔である利根川信氏が「能登守護畠山家のその後①」と題して寄稿している。
 歴史だけでなく、俳句、短歌、エッセーなどもあり、カラー写真を多用してのきれいなA4版の誌面で読みやすく、毎回のことがだが、七尾の歴史と文化、人々の暮らしなどが香り高く感じる内容である。
 3月14日に北陸新幹線が開業し、関東方面から七尾市までの時間的距離が大幅に縮まった。私もぜひ訪れてみたくなった。(成澤礼夫記)

発 行 (公財)七尾城址文化事業団
発行日  平成27年2月
定価   1,000円(税込)
問合せ TEL 0767−53−6674 七つ尾編集委員会まで。

(2015年3月24日11:05配信)