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書評 『七つ尾』 第37号


nanatsuo37 公益財団法人七尾城址文化事業団(黒崎直人理事長=七尾市教育委員会教育長)が年に一度発行する機関誌。『七つ尾』は、現代につながる七尾の歴史や文化を掘り起こし、全国への発信という意味で重要な働きを為している。編集は『七つ尾』編集委員会(古川久次委員長)がボランティアで行っている。
 今号では、七尾市出身で立命館大学教授の木立雅朗氏の「能登国誕生〜能登立国 一三○○年 古代の能登〜」、同じく七尾市出身の飴谷健士朗氏がプロバスケット「金沢武士団」の監督に就任したのを機に「七尾のバスケットボールチーム全員集合」と題して座談会や市内にある小学生、中・高校、社会人などのチームの紹介をしている。
 木立雅朗氏は、能登国誕生の中で、西暦718年に越前国から能登国を分離独立させてから、2018年は1300年が経過した記念すべき年にあたるが、741年に能登国は越中国に併合され、その後、757年に再び能登国は独立し、この第二次立国の方が長く続くため、今から39年後に1300年を記念した方が良いかもしれないと述べる。
 そして、日本の各地でいろいろな1300年を謳っているが、一過性の効果は多少あっても、観光のために地元の歴史を切り売りしているように見え、違うものを求めている観光客には飽きられるだろうと手厳しい。京都や金沢などが歴史を切り売りして、結局は地元の人々が暮らし難い町になりつつあるとも述べる。大事な本質を突いている。
 能登の古代史から近代までの能登の統治者や、行政区画の変遷がどのように行われたかを紐解きながら、唐や新羅といった外国の政治状況によってヤマト政権が影響を受け、それが能登の政治情勢に変化を与えたことなどを丹念にまとめている。また七尾の地名エリアが明治以降にどのよう統一されてきたかの興味深い歴史も記している。
 木立氏は私たちが「誰が何をしたか」ということに注意しがちだが、「遺跡を調べることは、自然と人間の関わりの歴史を調べること」だとし、発掘調査は私たちが「これから、この土地で、どうやって生きていくのか」ということを考えさせるくれると述べる。
 それでは能登立国1300年の意味は何か。1300年という言葉を1300年前の「昔」のことだけに注目するのではなく、1300年間の「連続」として理解し、その歴史の積み重ねの上に、私たちはこれからも暮らしていくことと結論づける。
 
 ほかに、本号では令和元年度 七尾城址文化事業団事業の講演会「七尾城の縄張りと能登周辺の出城」(北陸城郭研究会 佐伯哲也会長)の講演録や、同事業団事業の写真コンテストが掲載され、七尾の自然の美しさを楽しめる。
 斎藤秀夫氏は、5歳で上杉謙信の養子となった「謎の男・上条政繁」、また両親が米沢出身の利根川進氏は「能登守畠山家のその後⑤ー世界の潮流の中の医道への道ー」と題して寄稿している。
 第37号には、七尾の逸品昼飯として、「塩サバ」、「おまかせ定食」、「海鮮丼 小丸山城」が掲載され、『七つ尾』を通して、七尾は行っても魅力に溢れ、学んでも楽しい、食べても美味しい、という七尾の魅力が網羅されている。
 
発 行 公益財団法人七尾城址文化事業団
編 集 七つ尾編集委員会 事務局 懐古館飯田家
    TEL 0767-53-6674
発行日 令和2年3月
定 価 1,200円(税込)

(2020年4月5日11:25配信)