newtitle

画像04が表示されない
竹田 歴史講座

▲トップページへ戻る

書評 『先人顕彰 特別号(第24号)』



senjinkensho24「上杉鷹山公と郷土の先人を顕彰する会」(小嶋彌左衛門会長)は、平成元年4月の発足以来、32年の歴史を重ねてきた。同会が設立された背景は、昭和時代に個々人を顕彰する会や郷土の歴史、地域を語る会などが次々に発足したものの、米沢市を一本にしてまとまった組織的な団体がなかったことや、昭和62年頃より"旧興譲館高校跡地をめぐって上杉の城下町にふさわしい先人たちの記念館的なものが欲しい"、"市制施行100周年記念事業として先人顕彰館の建設を実現させたい"という声が出てきたことによる。これにより平成元年3月に設立準備世話人会が開かれ現在の正式名称が決まり、当初は九里学園内に、現在は米沢有為会が管理する「我妻栄記念館」に事務局を置いて活動を行っている。
 会の狙いとしては、「上杉鷹山公を中心に、郷土の豊かな礎を築いた多くのすぐれた先人を顕彰し、その偉大な業績と人間形成の過程を学び、今日に生かし後世に伝え、有為な人材を育成すること」にある。その実現のために、「先人顕彰館」の設立を掲げているほか、「会誌・先人顕彰」、「会報・ようざん」の発行、「鷹山公シンポジウム」の開催、「火種塾」開講、子どもたち向けの「米沢の歴史寺子屋」講座開講などに取り組む。
 その中で、「会誌・先人顕彰」は、シンポジウムの記録と研究者による研究発表の場として、これまで幅広く活用され大きな成果をもたらしてきたと言えるもので、同会にとって、いわば「財産」というべきものである。他にも松野良寅氏による『先人の世紀』、『先人多いに語る』〜架空座談会〜などが同会によって刊行されてきた。
 第24号となった『先人顕彰 特別号』は、同会の創設以来の活動の流れをまとめたもので、『特集一』では、「先人顕彰会」の歩みと中心事業活動の記録、特に「鷹山公シンポジウム」や150回を超えた「火種塾」の歴史と成果・課題がきちんとまとめられている。
 『特集二』では、米沢における感染症への取り組みの歴史を紹介している。現在、世界的な新型コロナウイルス感染症禍の中で、感染症と人類との関わりの歴史、米沢市周辺に建立されているコレラの石碑や疱瘡(天然痘)神社、100年前のスペイン風邪などの実態や取り組みを紹介している。その中で、米沢藩の医者で長崎においてシーボルトに学んだ伊東昇廸(いとうしょうてき)の物語を掲載した。
 伊東昇廸は、米沢で初めて種痘を行ったことで有名だが、そのような先人を取り上げることで人類がいかに疫病に挑戦してきたかを身近に知ることができる。(書評 米沢日報デジタル/成澤礼夫)

冊子名 先人顕彰 特別号(第二十四号)
発 行 上杉鷹山公と郷土の先人を顕彰する会
編 集 特別号作成委員会 委員長 房間正勝
発行日 令和2年10月31日

(2021年2月7日13:15配信)