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竹田 歴史講座

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書評 『句集 米沢と私《第二集》』 小川たか子



yyone1 川口青公俳句会に15年、米沢俳句会に10年在籍している小川孝子さん(米沢市泉町一丁目在住)が昨年10月、『句集 米沢と私《第二集》』を刊行した。小川さんが句集を刊行するのは、ほぼ40年ぶり。現在まで約30年間に渡って作りためてきた俳句が小さな手帳に5〜6冊となったため、今回それらをまとめて発行しようと考えたそうだ。
 真っ赤な表紙に、本文250ページ、2,200首を収めた大句集である。自然の情景を見て、人と会って、どこかを訪れて、原発を思ってなど、その場、その空間、世の中の世評から得られたそのまんまのインスピレーションで泉のように俳句ができてしまう。小川さんの自然を見る目の優しさ、閃きといった感性が十分に伝わってくる句集である。
 掲載された俳句は時系列を意識することなく、まさに徒然なるままに、思いつくままに書かれて掲載されている。一昨年5月、ご主人をあの世界に見送られた。小川さんの俳句にはそういった人生の別れや、諸行無常的な響きのものもある。
 小川さんは現在、米沢市泉町にある米沢陶磁ガラス美術館いずみ館長として、中国美術工芸品の「鼻煙壺(びえんこ)」の蒐集家としても活動している。他に金剛流の仕舞、花柳流日本舞踊、表千家のお茶など、多岐にわたって芸術に親しんでいる。そういったマルチな才能をこの句集では十二分に花を開かせている。

 「老い迫り 君の優しさ 雪化粧」
 「人は皆 修行僧なり 秋の暮」
 「君亡きて 遠くから見ゆ 男郎花(おとこえし)」
 「君恋し 地酒の色香 江戸切子」

 小川さんは能の仕舞もされるが、そのような句も中には目立つ。
 「金剛の 女神現わる 小正月」
 「夢の春 杮(こけら)落としの 能舞台」
 「雪鬼と 空の青さの 能舞台」

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 福島の原発事故へも一句。
 「夏朝に 放射能針 まだ動く」
 「福島や こんな筈では 無い帰省」
 「震災の 名残り留める 夏の街」

 コロナ禍の中で詠んだ歌もある。
 「あゝ無常 コロナの渦の 嵐かな」
 「隣国に コロナ来たり 麒麟草」
 「コロナにて ここが我慢の 寒桜」
 「あら不思議 夏至の日食 コロナかな」

書 名 句集 米沢と私《第2集》
著 者 小川孝子
    米沢市泉町1−2−4
発行日 令和2年10月21日
価 格 非売品

(2021年2月8日14:55配信、2月8日18:05最新版)