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竹田 歴史講座

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書評 『七つ尾 第38号』(公財)七尾城址文化事業団



nanatsuo-38 公益財団法人七尾城址文化事業団(黒崎直人理事長=七尾市教育委員会教育長)が年に一度発行している機関誌。現代につながる七尾の歴史や文化を掘り起こし、七尾の魅力を全国へ発信している。
 今号では、はじめに令和2年11月に七尾市長に就任した茶谷義隆氏のインタビュー記事を掲載した。同市長は、昭和40年七尾市生まれの今年56歳。昭和60年大阪国税局勤務を経て、税理士登録、平成28年に茶谷義隆税理士事務所を開業した。茶谷氏は「七つ尾」編集委員でもある。
 市長を目指した動機は、自然や食、歴史や文化、祭りなどの地域資源にあふれている七尾市が、人口減少や少子化により消滅する危機感と寂しさがあり、昔のような賑わいのあるまちに戻せないかとの思いがあったと述べる。今後の七尾市のまちづくりでは、「人々が笑顔あふれるまち、このまちに生まれ育ったことに誇りの持てる、地域にしていきたい」とし、街のにぎわい創出、地域が自立するための支援、若者や子育て世代の支援、能登の自然や歴史を活かした産業創出などをあげる。。
 東京女子大学の茂里一紘(もりかずひろ)学長の「地域の未来に向けて〜外から見た七尾を語る〜」と題した講演録を掲載。茂里氏は、旧満州の奉天(現在の中国・瀋陽)の生まれ。1歳半の時に、母とともに七尾に引き揚げたが、父親はすでに抑留死していた。七尾で受けた教育は「人生の苗代だった」と振り返る。「七尾で与えられたこと、七尾を出たらどうしたのか、七尾はこうあってほしい」、という3点を講演で述べている。この中で、「人を育てるには人を信用することが大切なこと」と述べるが、教育者としての原点を見る思いする。西湊小学校では、「計画を立て進んでやりとげる子」など、全員で誓いの言葉を唱和した。やることがいっぱいある時、今どれが一番大事でどの優先順位でやるのが全体として最大効果があるのかを考える基礎となったと述べる。七尾を中心に800キロくらいの円を描くと、ロシア、北朝鮮、大韓民国、中国の四つが入る日本で唯一の場所であり、自分の中に国際感覚を芽生えさせた地、「七尾はよその国を覗くのぞき窓みたい」と述べる。
 他に、同文化事業団が主催して、富山大学名誉教授が『「まだら(唄)」の来た道』と題する講演会、七尾に残る船絵馬、写真コンテスト作品の誌上掲載、史跡七尾城跡発掘調査(調度丸)成果の概要の報告などが掲載されている。斎藤秀夫氏は七尾の画人長谷川等伯の生涯を紹介した。毎度ながら、七尾の魅力が十二分に伝わってくる本当に中身が濃い構成である。
 
発 行 公益財団法人七尾城址文化事業団
編 集 七つ尾編集委員会 事務局 懐古館飯田家
    TEL 0767-53-6674
発行日 令和3年3月
定 価 1,200円(税込)

(2021年3月31日10:45配信)