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書評 米沢文化54号特別号「創立60周年記念誌」 


1 NPO法人米沢市芸術文化協会(佐藤富士雄会長、以下米沢市芸文協)が発行する機関誌「米沢文化」54号。
 米沢市芸文協は、昭和39年11月3日、前身の「米沢文化懇話会」として発足して以昨年で満60年が経過した。米沢文化懇話会が発足した年は、オリンピックの年である。平成11年に現在の米沢市芸術文化協会に改称、さらに令和2年に特定非営利活動法人に衣替えし、より強固な組織陣容で現在活動を行っている。

 米沢市芸文協度は、毎年4月1日から翌年3月31日まで、米沢市教育委員会とともに米沢市民芸術祭を主催しているが、その内容は、絵画、工芸、書道などの展示部門、演奏会や発表会などのステージ部門、その他部門の3つの柱からなる。各団体の活動は多彩にわたり、年々深化しているように感じられる。それを支えているのが米沢市芸術文化協会であり、米沢市の芸術文化の振興にはなくてはならない存在と言えよう。芸術は人生を豊かにし、生活に潤いを与え、さらに地域を振興し芸術家にとっては生活の糧となる。そして多くの芸術家の活躍は、そのまちの文化のレベルをアップする原動力となり、経済活動にいろいろな意味で付加価値を高めてくれる。

 さて、本書は「創立60周年記念誌」として編集され、内容がとても豊富である。創立60周年記念事業テーマは、「アートでつながるー明日へチャレンジー」。9つのメイン行事を実施した。60周年事業は次の10年の幕開けと位置付けている。
 巻頭に佐藤会長らの挨拶が述べられている。次に「米沢の芸術文化を次世代につなぐために」をテーマに、7人の出席者が創立60周年記念座談会を行った。出席者の顔ぶれがまた多彩である。
 佐藤会長は、座談会冒頭で「コロナ禍を経てよく分かったことは、芸術はなくならないということでした。人間が人間として生きていくためには芸術が必要です。ただ生きているだけでなく、自分をアピールして生きていく、自分は自分であるということをアピールする、こういう姿勢が大事で、それを表現するのが芸術文化です。私達はそこに期待を込めているところであります。」と述べているが、正に同感である。
 座談会では、「体験・感動・共有」がキーワードとなるとして、一昨年から米沢市で始まったオープンファクトリーやミナミハラ・アート・ウォークなどの活動状況が述べられた。
 また多彩な地域文化活動を行っている団体の紹介やARTS MEET 置賜展などの活動の成果と報告、米沢文化の先人たちと題して、故九里茂三氏、故小野榮氏、故髙森務氏、故山中三平氏などをはじめとして、多くの人が取り上げられている。また66の加盟団体の紹介と歩みがまとめられている。
 
発行人 佐藤富士雄
発行所 特定非営利活動法人 米沢市芸術文化協会
    TEL 0238−22−7015
編集  創立60周年記念誌編集委員会(委員長 清野春樹)
発行  2025年3月31日