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まちづくりプラン大賞「コンペティション」

 昨年7月からまちづくり人材養成講座が始まり、11月には伝国の杜でコンペティション形式による発表が行われた。今年の目玉は米沢市、米沢信用金庫(種村信次理事長)合わせ総額70万円の助成金。一般市民らが政策を判断し、選ばれた団体に付与される仕組みで、12団体が参加した。講師からのアドバイスを基にアイディアを具現化させた結果、丸山幸司氏が考案した「よねざわクチコミ観光案内所の設立」が大賞に輝いた。従来どおりの方法から一変させ、歴史・文化、伝統などを混ぜ込んだ〝市民発のまちづくり〟が第一歩を踏み出した。よねざわクチコミ観光案内所は、市民から見所や食、歴史、文化等の情報を発信させ、観光産業に繋げるというもので、注目は市民全員が観光営業者になるということ。

丸山幸司さん

「よねざわクチコミ観光案内所」が大賞 

丸山さんは、今まで知られていない観光資源を掘り起こしつつ、詳細にPRしていくことが観光客数やリピーターの増加を図ることができると考えており、ウェブ上に案内所の開設を前提に、アフェリエイトを導入し、書き込みを行う市民に奨励金を出す仕組みを考案した。既存のシステムや観光ガイドブックなどはライターなどが少なく、偏った情報や個別に紹介が出来ない点に着目し、一般市民が書き込みをすることで米沢の全てを公開できるというものを提案した。
 審査員などからは、直接観光に繋がり、実行しやすいということから高評価を得ていた。今後は賛同するメンバーを増やし、活路を見いだして行く。

行政から市民主体のまちづくりへ


「米沢を発展させる100のシーズ(種)を束ねる市民の湧気プロジェクト」
 20万円の賞金を手にしたのは市民の湧気プロジェクトチーム(高橋英夫氏)「米沢を発展させる100のシーズ(種)を束ねる市民の湧気プロジェクト」。雇用や観光資源など、あらゆる問題を事業者、有識者らが1個ずつシーズを考え、100個集まることで、まちの発展につながるという内容である。集めたものは情報発信を行い、様々な人が問題に触れ合うきっかけづくりを提供、事業者が具体化させ、商品化や事業化に踏み出すことで活性化が図れ、若者が米沢を出て行かない町、大学卒業後に戻ってこられる状況を作り、人口を減少を食い止められるというもの。高橋氏は「100程度を目標とすれば、地域活性化を図ることが出来る」と自信満々だった。

「アトリエフェニックスオープンによる米沢織リサイクル事業」
 米沢織物の活路を打ち出したAteIier fenix(長谷部健代表)「アトリエフェニックスオープンによる米沢織リサイクル事業」は、米織の特徴を生かし、残り物を活用する斬新的なアイディアで、若い主婦層・中高年層をメインとした製品開発プロ集団の育成を図り、米織の織物端材を用いたリサイクルとリメイク製造開発・販売、全国発信による米織のPR、また世代間交流や明るい中高年層の増加などの相乗効果が期待できるという。
 主にデザイン性に優れたおしゃれなコースタークッションポーチなどの小物を販売、試作品審査会などを開催し、売れる価値の高いものを商品化するシステム。ネーミングのフェニックスはチリ落盤事故で用いられた救助カプセルと同様に、米織がフェニックスの如く羽ばたいていけることを願って命名された。

「召しませ美味しい米沢」
 家庭菜園や野菜のネット産直を考案したAIBE米沢(西川良文氏)「召しませ美味しい米沢」は、野菜などに焦点をあて、米沢でとれた野菜の加工、販売を行い、地元の自然と文化を発信。〝いやし〟を求める現代人に、米沢の自然と食文化を周知させることで観光客の増加し、最終的に「行ってみたい」「味わってみたい」「住んでみたい」の3つの米沢を目指していくというもの。
 厳しい中小農家の現況を背景に、コミュニティーを設立させ、シーズン毎に大阪駅前にある山形事務所の一角をアンテナショップにし、PRしたい考えだ。周知後はHP上で会員制のネットショップを開設、新しい販売路を形成させていく。最終的には農商工学でコミュニティーを設立させ、生産から加工、そして販売までの6次産業化を目指す。AIBEは米沢弁で「出発しよう」から命名された。

「ベジタブル『絆』マーケット」
 ベジタブルでまちづくり(桑島順一氏、樋渡由美氏)「ベジタブル『絆』マーケット」は高齢者などの知恵の有効利用し、野菜作りを学ぶ講座を開催するほか、家庭菜園でとれた野菜の朝市の開催、野菜ボックスの販売を手がけるシステムの構築。高齢化が進む現在、人材を活用させ、農林水産省の支援で始まった全国8都市で開催される「都市住民参加型の市場(マルシェ)」のような従来の朝市とは違うマルシェ・ジャポンを手本に来年の7月、8月にひと月限定のベジタブル絆マーケットを開催を行う内容。
 マーケットのターゲットを地元住民だけでなく、都会の人たちにも広げ、居心地のよさを提供することで、平和通商店街の活性化を図っていきたいという。「絆」を大切にしたマーケットを構築させ、野菜の宅配サービスや個民家への宿泊、畑・田んぼの体験(アグリツーリズム)など仕組みづくりを提案した。

「市立米沢図書館サポートネットワーク(仮称)立ち上げ事業」
 市立米沢図書館サポートネットワーク(仮称)準備会(栗野宏氏)「市立米沢図書館サポートネットワーク(仮称)立ち上げ事業」は、4年後にオープンする新図書館のサポートを担い、図書館を「利用する」から市民が「参画する」新しい関わり方を考案。全国の図書館では、ボランティアなどの連携により図書館の充実が図られていることから、社会参加意識の醸成、そして運営に対する積極的な参画を期待するというものになっている。
 設立後は学習する組織情報編集者、担い手作り、本のソムリエなどの人材の育成を目的に、新たな図書館としてビジネス支援や外国人利用者の充実、障がい者による利用の支援を図るとともに、図書館の利用拡大と街のにぎわいを創出させていきたいという。

「平和通り商店街(一番街)アートによる景観事業」
 渡部一憲氏「平和通り商店街(一番街)アートによる景観事業」は、「暮らす・遊ぶ・憩う・集う」をキーワードにしながら、「つなぐ・育む・育てる」まちなかを実現させたいと、平和通商店街の空き店舗を利用し、シャッターやアーケードを補修させながら、絵を描き景観を形成させていくという内容。
 10か年計画でシャッター補修、アーケード・アート、シャッター・アートを行うとともに、まちなかチャレンジショップを開店させ、文化の香るまちなか拠点とするため、市民が一体となったイメージ共有を果たし、景観機能を作り上げていくというもの。

「学生の埋蔵力活用するまちづくりサークルプログラム」

 小野川温泉観光知実行委員会(遠藤直人氏)「学生の埋蔵力活用するまちづくりサークルプログラム」は市内に住む学生の力を借りながら、学生サークルが主体となる地域活性化イベントを行うというプロジェクト。埋もれている学生の発掘をできるとともに、学生のアイディアや実行力を原動力にし、より専門技術や知識といったものを活用していく。
 学生たちもアルバイトとは違った経験ができ、最終的には「学生と地域のまちづくりモデル」として全国に発信を行い、活動した学生に学校の単位認定を行っていくという学生が地域を変える運動である。

「外国人が米沢を観光案内YoKu-Gozatta-Nashi」
 YoKu-Gozatta-Nashi(杉山伸一氏)「外国人が米沢を観光案内YoKu-Gozatta-Nashi」は市内に住む外国人留学生と地元小中学生のコミュニケーションを図り、歴史・文化について学習を行いながら、留学生が中心となった観光ガイドを提供していくという。少年期からの語学学習につながり、異国文化を理解することにも繋がるため、新しい観点から居根沢の魅力を再発見できると考案。地域に根ざした人材や国際化に対応できる人材の育成を図り、温かい絆によるネットワークの構築をもとに、新たな外国人向けの観光メニューを作成していくというもの。

「花花四季米沢」

 ミッチリ会(福崎進氏)「花花四季米沢」は過疎化対策の一環として、一年中樹木や花が見られる山をつくり、観光事業を掘り起こすとともに、農業や林業の活性化を図っていく内容。人気が高い自然体験を提供し、リピーターの増加や住みたい町を形成させていく。春はウメやマンサク、夏はタイサンボクといった植樹する木々を選定し、一期目は八幡原工業団地の山々、二期目は斜平山に広げ、市民一本の植樹運動を図り、記念植樹の推進を図ることで、波及効果が期待できるというもの。花々があふれ、ミツバチが飛交い、米沢発のはちみつブランドを構築させることも視野に、後生まで感動と希望を与えたいという。

「市民協働」のまちづくりによる前田慶次400回忌記念祭
 まちづくり人材養成講座第一回生、前都市計画審議会委員会(香坂文夫氏)「市民協働」のまちづくりによる前田慶次400回忌記念祭は、今年6月に前田慶次の400回忌となることから、市民恊働による400回忌記念祭を計画し、着地型観光リピーターの安定的増加を図るというもの。市民や団体らが連携し、一大イベントとして前田慶次観光案内を行うとともにライブ、パネルディスカッションや関連グッズの販売などを展開させ、観光資源を全国にPRしていく狙いがある。

「米沢雪っ子灯ろう(恋あかり)」
 米沢雪っ子(宍戸健氏)「米沢雪っ子灯ろう(恋あかり)」は降りしきる米沢の雪を使い、新鮮な雪で作った灯篭を贈り、米沢を全国にPRしていくもの。ほかにも、米沢牛などの名産物を入れることができる上、組み立てる楽しさと「あかり」を自宅のコタツに入りながら楽しむことができる贈り物として、冬の雪とともに米沢を紹介、米沢の雪をブランド化を図り、活性化を図っていくという。

 人材養成講座は今まで、NPO法人の代表や飲食店のシェフなどの講師らのほか、安部三十郎米沢市長が、行政トップとしての観点から志を持った市民を後押してきた。受講生たちは様々な観点からのアドバイスもあり、自分たちのアイディアを練って、今後のまちの発展やまちづくりに大きな活力として影響を与えていきそうだ。