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世界のスーパーフード『ウコギ&ひょう』鈴木寿美子 

寄稿者略歴
suzukisumiko-2 鈴木寿美子(すずきすみこ)
 米沢市生まれ。全日本薬膳食医情報協会認定 薬膳アドバイザー。釜山大学校 韓医科学研究所健康文化研究センター主催東医宝鑑アカデミー   ティーセラピー専科3期卒業。韓方茶セラピスト。米沢市在住。


 
「ウコギ」や「ひょう(スベリヒユ)」は、世界で使われているスーパーフード。

 春から初夏にかけてスーパーなどの棚に並んでいた「ウコギの新芽」、6月下旬の「夏至」を迎える頃には、「ひょう(スベリヒユ)」に代わり、夏が近いことを教えてくれる置賜では馴染みのある"食材"ですが、他県の人や世界中の人がこれらの「食材」を見ると、とても驚きます。しかし、驚き方は両者とも、とても違うのです。
sp-1 なぜ驚き方が違うかというと、日本では、「ウコギ」=「生垣」、「ひょう(スベリヒユ)」=「雑草」と"嫌われる存在"だからです。これには、食材だと思っていた私も、某テレビ番組で、「生垣」や「雑草」と紹介され、とても衝撃を受けました。
 しかし、韓方茶や薬膳を学ぶうちに、日本とは異なり、世界中での「ウコギ」や「ひょう(スベリヒユ)」の評価が全く違うことを知りました。
(写真右=米沢市内で生垣として植えられているウコギ)

 例えば、ウコギ。中国では古くから、根茎を「刺五加」、根の皮を「五加皮」と呼び生薬として重宝されていました。特に五加皮をお酒にした「五加皮酒」は、不老長寿の薬酒と言われるほど、貴重な物として扱われていたようです。そのような貴重な「生薬」が、なぜ日本では「薬用」でも「食用」でもない生垣になったのでしょうか?
 ウコギは元々、中国から「効能が高い薬用」として日本に渡来しました。しかし、ウコギの刺が外敵から守るとして、いつの間にか「薬用」ではなく「生垣や垣根」として利用されるようになりました。
 私たちが住む置賜地方では、上杉鷹山公が生垣として外敵を守るだけではなく、「食材の確保」を目的に推奨した為、新芽を天ぷらやウコギご飯、お浸しなどの「食材」として今でも受け継がれていますが、お隣の国、韓国に目を向けると、韓国でもナムルとして食べられているようです。世界的にみると、食べているのは私たち置賜人だけではなかったのです。
 また、「薬用」として中国などでウコギが重宝されてきたのには、理由があります。実は、高い効能で漢方薬の代表的な材料で知られる「高麗人参」も、なんとウコギと同じウコギ科なのです。そのため、高麗人参に近い効能があり、強筋骨、強壮作用があり、関節痛や筋肉痛、腰や膝の筋肉の低下等に用いられてきました。近年では、抗疲労作用、抗ストレス、集中力増強などの薬効も見出だされ、日本でも長野オリンピックで活躍した選手がウコギ茶を飲んでいた等の話もあるほどです。
 ウコギの力は、それだけではありません。多様化する社会環境、生活環境、人間関係において、私たちが常にされている「ストレス」。ストレスが溜まるとイライラしたり、攻撃的になったり、逆に気持ちが塞いだりするなどの様々な症状が出て、体に悪影響を及ぼす「病の要因」でもあります。特に、「アダブトガン」と呼ばれる生体にとって悪影響を及ぼす様々なストレスに対して「ウコギ」が持つ抗ストレス作用は、高麗人参よりも効果があると言われています。

 そのように言われると、ウコギに対する価値観が変わりますよね。更に、ひょう(スベリヒユ)についても同様で、他県では、田んぼや畑、道端などに生えている生命力の強い「役に立たない雑草」でしかありません。しかし、山形県ではスーパー等でも売られている「野菜」。私も、ずっと「野菜」だと思っていたので、「雑草」と聞いて、本当に驚きました。
 日本では、雑草の「ひょう(スベリヒユ)」ですが、ヨーロッパでは、なんと!山形県同様「野菜」として取り扱われているのです。また、中国では、野菜炒めなどで食べる「食材」としてだけなく、「馬歯菜」「五行草」などの呼び名で利尿作用、消炎作用、抗菌作用、解熱作用の薬効がある漢方薬の「薬材」として、特に、胃腸の問題の解決策として使用されています。驚くことに、古代エジプトの時代まで遡るほど古くから重宝されていたものだったのです。
 この世界中で食されている「ひょう(スベリヒユ)」には、中性脂肪を減らし、血管を丈夫にしてくれる「オメガ3脂肪酸」などの高い栄養価が含まれています。他にも、食物繊維やカルシウムやマグネシウム、鉄など血行促進や心臓の健康、骨を強くするといった、正に健康を促進してくれる「優れた食材」なのです。
 そう考えると、「ウコギ」=「生垣」、「ひょう(スベリヒユ)」=「雑草」ではなく、「ウコギも「ひょう(スベリヒユ)」も置賜を代表する、世界に通用する食材になるのではないでしょうか?この二つを、古くから食している私たち置賜地域の人々は、"食の最先端を行く人々"になるのです。
 また、このような貴重な「食文化」を置賜のちに根付かせてくれた先人の人々に感謝をしつつ、「ウコギ」や「ひょう(スベリヒユ)」を自分なりにアレンジして、食生活の中に取り入れ、心と体の健康管理に役立てていきたいものです。

sp-2 余談になりますが、ティーセラピストでもある私は、今年、お友達の家にあるウコギを分けてもらい「ウコギ茶を作ってみました。最初は、そのまま洗って干してみましたが、苦味があったので、サッと茹でて干したところ、苦味が薄れ、ちょっと甘味もでてきて、そのまま干したものより、飲みやすくなりました。
(写真左=筆者が作った「ウコギ茶」)

 また、体中に気を巡りやすいようにするために、橘皮(みかんの皮を干したもの)を合わせてみました。橘皮は、胃腸に良いだけでなく、香りもリラックス効果があるので、ストレスを和らげるには、ピッタリな材料です。一緒に合わせて飲んでみるとウコギの苦味も感じない爽やかな味になりました。
 先にも述べたように、ストレスに強い「ウコギ茶」は、ストレスなどで気が滞り、元気がない、力が湧いてこないなどのエネルギー不足の時にピッタリなお茶です。
元気がないと感じた時は、「ウコギ茶」を飲んで元気になりましょう。

(2019年6月26日10:50配信)