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竹田 歴史講座


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寄稿 『小豆パワーで心も体もほっこりと!』

寄稿者略歴
 鈴木寿美子(すずきすみこ)
suzu-3 米沢市生まれ。全日本薬膳食医情報協会認定 薬膳アドバイザー。釜山大学校 韓医科学研究所健康文化研究センター主催東医宝鑑アカデミー ティーセラピー専科3期卒業。韓方茶セラピスト。米沢市在住。



read-1 寒い冬の日は、温かい、「お汁粉」やホクホクの「あんこ」が詰まった山形の冬の定番「あじまん」が恋しくなります。甘い「あんこ」を食べると、気持ちがなんだか"ホッコリ"とします。(写真右=小豆を使ったお汁粉)
 私達に馴染みの深い「あんこ」の原料である小豆は、秋に収穫し乾燥させて食べる栄養価の高い食物。昔から、小豆の赤い色が邪気を払ってくれると、厄除けの食べ物として、季節の行事やおめでたい日に食されてきました。皆さんも、おめでたい日には、お赤飯を食べませんか?
 元々、東アジアが原産の「小豆」ですが、私達日本人との歴史は古く、縄文時代まで遡り、弥生時代の遺跡からは栽培の痕跡が出土するほどで、何と、「古事記」などの中にも登場するほど、昔から親しまれていた食材です。
 現在の私達にとっての「小豆」と言えば、和菓子に欠かせない「お菓子の材料」ですが、中国では、食するだけでなく『神農本草経』(中国最古の薬学書)の中に「浮腫の治療薬」として「赤小豆」(せきしょうず)と記されています。代表的なものに、浮腫の治療をする「赤小豆鯉魚湯(セキショウズリギョトウ)という鯉と赤小豆を用いた漢方薬があります。
 ちなみに、漢方では、「小豆」を「しょうず」と言います。「あずき」は、日本で作られた言葉で、「あずき」の「あ」は、小豆の赤い色の「あ」に、溶けるように柔らかいという意味の「ずき」が組み合わさり、「あずき」という名前が付いたようです(諸説あり)。
 また、お菓子の饅頭や大福、どら焼きなどに入っている「あんこ」の「あん」。これは、中国の「餡」に由来し、元々は「詰め物」の意味で、中国で食べられていた餅に肉餡が入ったものを遣唐使が持ち帰り、鎌倉時代頃から餡に小豆が用いられたようです。しかし、この頃、食べられていた「小豆餡」は、砂糖の入っていない「塩味」で、現在の様に砂糖が入った「あんこ」になったのは、砂糖が普及しはじめた江戸時代中期頃と言われています。
 塩味の「あんこ」なんて、現在の私達には想像がつきませんよね。

red-2 さて、漢方で薬にも使われている「小豆」。小豆には、水気を下げ癰種(ようしゅ:悪性の腫れもの)と濃血(血の異常)を排出し、利尿作用や渇きを抑えたり、下痢を止め、水腫と脹満(腹のふくれ)を下げる働きがあると言われています。その為、浮腫みや肥満の予防に用いられているのです。
(写真左=小豆)

考えてみると、夏に「水ようかん」、冬に「お汁粉」を食べるのは、その時期に溜まりやすい体の水の巡りを良くする為なのかも知れませんね。
 また、小豆の赤い色に含まれるポリフェノールには抗酸化作用が含まれており。その量は赤ワインの2倍ほども多く、加熱すると煮汁に溶け出すため、そのまま捨てずに小豆茶やお汁粉として摂取することで、アンチエイジングにも効果的です。
 更に、小豆含まれるサポニンには、ブドウ糖が中性脂肪に変化するのを抑え、脂質の代謝を促進する働きがあり、コレステロールや中性脂肪の生成を抑え、動脈硬化を防ぐ働きもあると言われています。
red-5 もちろん、ビタミンB1が豊富に含まれているため、便秘解消・肥満解消になるほか、美肌にも働きかけてくれますし、疲れた時に「小豆」を食べると疲れが取れるように、疲労回復にも良いともいわれています。
 
 小豆に含まれるビタミンB1がどれほど多いかというと、以前見た「JIN-仁」というドラマの中で、ヒロインの母が脚気(かっけ)に掛かり、治療薬として小豆で作った「あんドーナツ」を用いて治療していたシーンがありました。脚気は、江戸時代から戦前にかけて多くみられたビタミンB1不足が原因で起こる病です。ドラマの設定が江戸時代なので、ビタミンB1などという言葉はありませんが、脚気の治療に有効的なビタミンB1が多く含まれている「小豆」を主人公が思い出し、治療に用いていたという内容でしたが、ドラマの中で医者が用いるほど多く含まれているという証拠ではないかと思われます。
 このように、「小豆」は健康に必要な栄養素や効果・効能が多く含まれている食材です。糖分を控えめに調整すれば、健康に役立つ体に取り入れたい食材です。

 山形にも「小豆」を使った郷土料理「小豆かぼちゃ」があります。これも、体を温める「かぼちゃ」に余分な水分を排出させる「小豆」を使った薬膳料理。かぼちゃには、免疫力を上げ、冬の風邪予防にもなり、小豆で弱った体に栄養を補給し、体に滞った不要なもの(老廃物)を出してくれる働きのある冬にぴったりな料理。以前、関東や関西の友人達と、冬の食べ物について話していた際、私が「小豆かぼちゃも美味しいよね?」と言ったところ、「小豆かぼちゃって何?」と逆に聞かれ、とても驚きました。何故なら、冬至の時期になると、食べる食べ物で、一般的な家庭料理だと思っていたからです。友人達も、確かに冬至の時期にかぼちゃを食べる習慣はあるとのことでした。しかし、その中に小豆は入っていないそうで、逆に、「小豆を入れたら、美味しそう。」と、小豆かぼちゃに興味津々でした。
「小豆かぼちゃ」が気になって、後日調べたところ、山形県や福島県の北部等全国的にも一部の地域でしか食べられていない郷土料理だということがわかり、改めて「山形を代表とする郷土料理」なのだと実感しました。

red-3 ところで、この素晴らしい「健康食材」でもある「小豆」を使った薬膳茶「減肥茶」を紹介します。
(写真左=減肥茶の材料
     《小豆、ハトムギ、陳皮》)
〔減肥茶〕材料:小豆、ハト麦、陳皮(各ティースプーン1杯)
 作り方:フライパンで炒った小豆、ハト麦に陳皮を加えポット入れお湯を注ぎ、5〜6分経ったらカップに入れて飲む。
 ※小豆で料理を作る際の小豆の煮汁を捨てずに使用しても良い。
 さて、今年は暖冬で雪が積もらない珍しい年ですが、暦の上ではもうすぐ「立春」。その日に食べると良いものの中に「立春大吉」と付くものが幾つかあり、「立春大吉餅」もその一つ。餅は、昔から縁起の良い食べ物とされており、その日についた餅で作る「生菓子」や「大福」も、縁起の良い食べ物とされています。桜餅やうぐいす餅、大福などに代表される餅菓子も、「立春生菓子」や「立春大福」など言われているようです。
red-4 縁起の良いお餅と邪気を払う小豆がコラボレーションした"最強の縁起物"ということですね。早速、私も立春に大好きな「いちご大福」をダブルで厄払い出来るように小豆茶と一緒に食べてみようと思います。
(写真右=ポットに入れた減肥茶)

 皆さんも、厄払いにもなる「小豆」を大福やお汁粉等で、健やかに過ごせるように立春に食べてみてはいかがでしょうか。

(2020年1月30日21:15配信)