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寄稿 『ヨモギは女性に優しい月の女神。万能ハーブ』

寄稿者略歴
 鈴木寿美子(すずきすみこ)
suzu-3 米沢市生まれ。全日本薬膳食医情報協会認定 薬膳インストラクター。釜山大学校 韓医科学研究所健康文化研究センター主催東医宝鑑アカデミー ティーセラピー専科3期卒業。韓方茶セラピスト。米沢市在住。



 今年は、春先からのコロナウイルスの影響で、思うように外出することも出来ず、多くの方がほとんどの時間を自宅で過ごす「Stay Home」をされていたことかと思います。
 春は、陰陽五行で言う「木」にあたり、樹木が枝をグングンと空に向けて葉を茂らせながら真っ直ぐに伸びていくように、また、草木が芽吹き花を咲かせるなど、成長と発展、伸びやかさなど感じる季節です。私達人間も同じように、冬の寒さで縮こまった体や塞いでいた心も、温かさと共に開放的になり体も伸びやかに、気分もウキウキしてきます。
 ところが、今年は伸びやかになるどころか、引きこもらなければならなくなり、ストレスを感じることも多かったはず。草木も、ストレスを受ければ、枝が曲がったり、枯れて病気になるように、私達人間の身体にも同様に様々な不調が起こります。
mugwort-7 私も、自粛中はなるべくストレスを溜めないように、気分転換に散歩をしたり、庭や畑でお茶の材料になる植物を採取していました。その中でよく摘んでいたのが、「ヨモギ」です。
(写真右=天元台ロープウェイ湯元駅近くに自生している「ヨモギ」)

 生命力が強く、どこにでも生える「ヨモギ」は、団子やお餅など、和菓子の材料として親しまれている植物です。私も「Stay Home」の時間を利用して、摘んだヨモギで蓬餅やファジョン(花チヂミ)を作ってお菓子にしたり、春の山菜と一緒に天ぷらにして食べました。ヨモギの香りが口に広がり、本当に美味しかったです。

muguwort-1 このように、ヨモギは食材であったり、冷えや婦人科系に良く用いられる漢方薬の材料、お灸の原料として昔から私たちに親しまれてきました。どちらかというと、東洋のイメージが強い「ヨモギ」ですが、実は、西洋でも古来より、冷えや婦人科系に良く用いられていたこともあり、「ハーブの女王」とも呼ばれています。
(写真左=ヨモギの葉)
 また、キク科の植物である「ヨモギ」はヨモギ属に属し、ヨモギ属を指す学名は「アルテミシア」と言います。ギリシャ神話に出てくる月の女神「アルテミス」に由来するとも言われ、多年草でもあり、女性に優しく、神のように効能が豊富にあることから名前がついたのかもしれませんね。
 東洋でも、ヨモギの効果は大きく、漢方では「艾葉(がいよう)」と呼ばれる生薬(効果が強い、取扱いに注意しなければならない薬材)になります。ヨモギは「病を艾(止)める」ことから「艾葉(艾(止)める葉)」と名前がついたとも言われています。
mugwort-2 性質は、生の物は寒冷性で乾燥したものは温性。苦味があります。昔から「安胎にして腹痛を治し、疾病で血が出ることを止め、妊娠が出来きやすいようにする。」と言われ、婦人科系の病だけでなく、腹痛や止血にも用いられていたようです。
(写真右=乾燥した「ヨモギ」)

 また、痒みや湿疹に良いことから、ヨモギを入浴剤としてお風呂に入れたり、患部に塗ったり、虫刺されや痒み止めとして、現在でも利用している地方もあります。(キク科のアレルギーがある方は、お控えください)
 更に、ヨモギの凄さはこれだけではなりません。主な効果・効能を簡単に紹介すると、循環機能・肝機能・胃機能の改善、利尿作用、健胃・消化促進、整腸作用、便通の改善、下痢止め、鎮咳・去痰、冷えの改善、風邪予防、止血、かゆみ止め、消炎作用、抗菌作用、口腔ケア、美肌効果、鎮痛作用、滋養強壮等など数えきれないほど多く、「病を止める葉」、と言われるのもあながち嘘ではないように思えます。そう思うと道端に生えている、時には雑草として嫌がられるヨモギが、「ハーブの女王」に見えてきます。
 そして、このヨモギの効果を有効的に活用したのが「お灸」です。お灸は、ヨモギの葉の裏にある白い綿毛を精製したものに火をつけ、身体を温めツボを刺激します。お灸をすることで、ヨモギに含まれるシネオールという強力な消毒・鎮静・鎮痛作用がある精油成分が、皮膚の表面から体に浸透し、痛みを和らげるとともに、燃やすことで発生する独特の香りがリラックス効果も与えてくれるのです。お灸は昔の物と思われがちですが、現代では、貼るだけで簡単に自分で出来るお灸もあるので、最近では、密かにブームになっているようです。
mugwort-3 ティーセラピストの私は、簡単に作れる「ヨモギ茶」にして、体の中に取り入れたいと思います。お灸は、外から患部に働きかけますが、お茶は、体内に直接働きかけ、体の不調を整えます。
(写真左=煎ったヨモギを瓶に詰め保存)

 ヨモギに含まれる良質な葉緑素(クロロフィル)が、血液をサラサラにし、血液循環を良くすることで血行がよくなり、体中に血液が行き渡り、冷えの改善に役立ち、豊富含まれた鉄分は、造血作用を促し、貧血予防にも繋がります。また、血流が流れることで新陳代謝が高まり、ホウレンソウの3倍ともいわれる食物繊維やミネラルも含まれているため、活性酸素を除去し整腸作用の働きによって、便秘も解消。利尿作用もあり、体内に溜まった余分な水分や老廃物を排出してくれるため浮腫みが改善し、お肌も明るく調子も良くなるなどの美容効果までも期待できるのです。
 そのような、良いことづくめのヨモギ茶の作り方を紹介します。

ヨモギ茶の作り方)
①5月から8月に採取した葉を、水で洗い、5㎜幅に千切りし、日陰干しにします。(写真右=乾燥したヨモギ)mugwort-4
②3日ほど乾燥させ、完全に乾燥したら容器で保存し、飲む分をフライパンなどで炒って焙煎します。
③焙煎したヨモギを急須又はポットに入れお湯を注ぎ、5分程してから飲むと、飲んだ時に口の中に香りが広がります。

〇 ヨモギ×柿の葉×クコの実茶 (貧血・便秘・アンチエイジング)
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〇 ヨモギ×びわ葉  (肩こり・腰痛)

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 今回は、ヨモギ茶の意外な活用法ご紹介します。その活用法とは、口内炎や歯茎が腫れているときに「ヨモギ茶」でうがいをすることです。ちょっと勿体ないかもしれませんが、ヨモギ茶でうがいをすることで痛みが緩和するとも言われています。これは、ヨモギの消炎作用や抗菌作用、鎮痛作用が働いているからかもしれません。
 他にも、ヨモギには咳を鎮め、痰を除去する働きもあります。ヨモギ茶でうがいをすることで、風邪や肺炎の予防にも繋がりますし、コロナウイルスの予防にも良いかもしれません。でも、「風邪やコロナウイルスの予防だから」と、蓬餅やヨモギ団子をたくさん食べては、意味がないかもしれませんが、生活の中にヨモギを取入れてみるのも良いかもしれません。
 私も、新しい生活スタイルの一つ、家で過ごす「おうち時間」には、いろいろな材料と相性の良いヨモギを使って、体に良いブレンド茶を楽しんでみたり、お菓子を作ってみたいと思います。

〇ヨモギに関する注意点
・ヨモギはキク科に属するため、キク科にアレルギーのある方はご使用をお控え下さい。
・ヨモギと類似している体に害のある植物がありますので採取する際はご注意ください。
匂  い:ヨモギがあるのに対し類似植物は匂いはありません。
形   :ヨモギは葉の裏に白い綿毛がありますが、類似植物はありません。

(2020年6月8日20:15配信)