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          わが交遊録


「楽しかった米沢の庄内人会」
                          高梨 勝
   
 警察官だった私は戦前から昭和22年まで米沢署に勤務したが、酒田署異動の辞令が出て、以後12年間、彼地で過ごした。私の実家は村山市にある神社の別当職で、先祖は羽黒山修験の家だったから庄内地方には以前より親しみを感じていた。
 庄内は、庄内米やメロンなどの農産物を始め、魚、お酒などの食がとても豊かで、内陸育ちの私はとても新鮮だった。日本海に面しているせいか、庄内人は心に広い世界観を持っている人が多く、どこか余裕が感じられ、内陸人とは異質な部分を感じたものだ。昭和34年、私は縁あって結婚することになり、再び米沢市に住む事になる。
 その当時、私の記憶では、米沢市にある荘内銀行支店長で、渡会さんという方が呼び掛けられて庄内人会を結成し、市内の料亭喜久好を会場に、年に何回か庄内の春夏秋冬の味覚を皆で楽しんでいた。私もそこに欠かさず出席したものである。春は「孟そう竹」、夏は「くちぼそカレイ」、秋は「秋鮭」、冬は勿論、たらを使った「寒ダラ汁」である。多い時には50人程が集まり、会長も代わりながら昭和50年代まで開催されていたように思う。
 先日、酒田署勤務時代からの友人である小松写真印刷の佐藤茂枝さんから、「くちぼそカレイ」が送られてきた。そのくちぼそカレイは肉厚でとてもジューシー、磯の香りが口の中いっぱいに広がり本当に美味しかった。毎年、美味しいお魚を送って下さり、誠にありがたいと思っている。この味覚を味わいながら、庄内での生活や米沢での庄内人会の楽しい思い出が蘇ってきた。(たかなしまさる@むつみ美容室、米沢市在住)

平成26年9月13日米沢日報掲載
平成27年1月30日14:45配信