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放送大学 山形学習センター 所長 柴田洋雄氏


 今年創立28年目を迎える放送大学山形学習センター所長の柴田洋雄氏に、放送大学の現状とこれからの役割について伺った。

ーー放送大学という組織はどのように運営されていますか。

柴田氏 放送大学は28年前に国立で設置され、放送を使って学ぶ通信制大学です。本部は千葉県千葉市の幕張にあり、東京を除いて各県に一つの学習センターを置き、山形県は山形駅西口の霞城セントラル内にあります。東京だけは複数の学習センターを配置しています。

 現在、学部は教養学部だけの一学部で、その中で「生活と福祉」、「心理と教育」、「社会と産業」、「人間と文化」、「自然と環境」の5つのコースと修士課程の大学院があります。いま博士課程を準備中です。

 現在、放送大学で学ぶ学生は、約8万5千人ですから日本の大学ではマンモス大学と言えると思います。山形県では今560人ほどが学んでいます。

ーー柴田先生が放送大学に関わるきっかけは。

柴田氏 各県の学習センター所長を決めるに当っては、本部からその県にある国立大学学長に推薦要請があります。山形県の場合は、山形大学学長が推薦するわけです。その時、所長は管理職ですから、山形大学内で理事や学長、副学長などの経験をした人から選ばれています。私は前任の仙道学長のときに山形大学理事、副学長を務めていましたので、現在の結城章夫学長から推薦を受けたものと思います。ちょうど、今年で4年目となりました。

ーー放送大学ではどのような方が学んでいますか。

柴田氏 普通の市民の方々が学ばれています。大学院については、役所、銀行、商社に勤めている方が多いですね。やはり、その方々は現役であり仕事がありますから、日中に通わなければならない普通の大学院には行けません。放送大学は仕事をしながら、月に一度か二度、インターネットを使ってテレビ会議や学習センターでDVDを使って学習できることから、学習面で時間的な自由度があるのです。あるいは、本部の方には宿泊施設があり、そこに泊まりながら学習できます。

 中には看護師、心理士などの資格を取得したいという理由から学んでいる人もいます。放送大学で看護師の資格は取得できませんが、その資格に必要な一部の科目と単位を放送大学の科目と単位で代用を認めてくれるのです。

ーーほかに放送大学の特徴は。

柴田氏 一般の大学同様、124単位を取得して学士号を得られます。ただ、普通の大学と違うのは学士号は取らずに好きな科目だけを学びたいという人がいます。従って、学生には入学すると10年間の学生身分が得られる全科履修生、1年間の学生身分である専科履修生、半年間の学生身分の科目履修生の3つに分かれます。授業は前期・後期のそれぞれ半年単位です。

 放送大学は入学料が2万2千円で10年間在籍でき、1単位5500円、普通の授業は2単位ですから11000円、卒業に必要な124単位の合計として70万4000円で、これは普通の国立大学文系の4年間200万円の三分の一です。

 もっと大きな特徴は、提供する授業は委員会で設定され、現在300科目あり、日本でその専門についての最高の教授が選任されます。そして45分の授業のテキストを書いて頂き、委員会で内容のチェックをしています。そして15回分の授業を録画するわけです。その録画は5年間しか使用しません。必要があれば外国まで収録に行きます。したがって、授業料が安いから、中身が悪かろうということはありません。

 放送のほかに、面接授業(スクーリング)もあります。先生と生徒が相対しながら授業を進めます。放送による授業は先生からの一方通行であり質問はできませんが、面接授業はフェイスツーフェイスで、ものすごく熱心に授業が行われています。

ーー放送大学の今後の役割は。

柴田氏 地域を元気にするには、知識ではなく知恵が必要であり、放送大学を通して地域産業と人材育成を図りたいと思っています。

 地域は個人、企業などの活動を行政がバックアップすることが大事です。地域産業の育成はある意味、人材育成が大事です。私が講師を務め、8月から毎週木曜日午後2時半から4時まで15回にわたり、「山形のくらしと経済を考える」講座を15回にわたり開催しますのでご参加ください。受講無料です。問い合せは、電話023−646−8836 山形学習センターまで。



しばた ひろお
 昭和16年、茨城県生まれ。東北大学大学院卒業。昭和44年、山形大学人文学部教員採用。山形大学理事・副学長を歴任、現在、山形県総合政策審議会会長。美しい山形最上川フォーラム会長。平成20年より現職。専門は理論経済学、地域経済学。山形大学名誉教授。