hptitle01

寺町まちづくり協議会 会長 瀧澤良祐氏


 一昨年8月に設立した寺町を活かしたまちづくり協議会。寺町といった新たな観光資源を活かしつつ、10月に行われる寺町サミットへの思いを瀧澤良祐会長に伺った。

ーー設立するきっかけはなんですか。

瀧澤氏 全国的に寺町を活かしたまちづくりが進められているのを背景に、米沢市役所から米沢仏教興道会にご提案があり、米沢市でも話し合う場づくりとして3年前から準備が進められてきました。米沢には東、北、南など、大きく3つの寺町が存在します。その中で一番寺院が多い地域として東寺町が選ばれ、まちづくり協議会として一昨年8月に発足しました。

 東寺町エリアとして指定されているのは、東寺町下と上、今町、相生町下通り、福田町の一部東町中の五ヵ町となっています。当初は寺町としてのエリアを絞ってしまいましたが、今後はエリア外にある近隣の寺院群なども含め、拡大させていきたいと思っております。

ーー今までに寺町が一体となった活動はありましたか。

瀧澤氏 自然とした流れで地域住民なども含めて協議会が出発するのが理想でした。かつては、寺町というのは寺と住民の深いつながり、一体感があるものでした。しかし時代とともに、社会の変化や忙しさもあり、地域のコミュニティーが以前よりも希薄となりつつあります。時代背景には近隣との繋がりよりも、会社やサークルといった方が密になっていると思っています。

 また住民だけではなく、寺そのものも変わり、防犯上誰でも立ち入れるという開放的なものではなく、板塀からブロック塀、セキュリティを導入するなど、事情が変わってきたこともあり、寺町が主体となって協議会を立ち上げるのは難しい状況にありました。今回がいいきっかけになり"もう一度自分たちの町を見直そう"と思って頂ける方が増えればいいと考えています。

ーーどのような活動を行っていきたいと思いますか。

瀧澤氏 これから10年、20年後、板塀に変わったり、看板が設置されたりするのもいいかもしれませんが、一番は人々の心が変わることだと思っています。米沢は大正時代の2度にわたる大火で町をはじめ、この東寺町の様子ががらっと変わってしまいました。「観光客にこの寺町を見てもらえるか」と引け目を感じている方もいらっしゃいますが、伽藍や堂宇、寺城内の様子、町の通りの景観がよくなることのみならず、檀家様との親交が更に密になり、町内・近隣の人どうし一般の参拝客の人たちとも心と心のつながりが感じられるような一歩になっていただければいいと考えています。

 そのためワークショップを行い、一緒に目指す方向に歩みを進めてまいりました。これを機に住民の方々が植栽をしたり、清掃活動に取り組んだりと、理想に近いかもしれませんが、不可能ではありません。地域の方と同じ土俵に立って考えてみる場づくりとして、少しずつ地域や寺に対する気持ちが変わって頂けるような活動にしていきたいと思っています。

ーー10月には全国規模の寺町サミットが行われますね。

瀧澤氏 米沢市や米沢仏教興道会、米沢商工会議所、米沢観光物産協会などが主催となって10月19〜20日に東寺町を中心に開かれることが決まりました。

 サミットでは東寺町の取り組みそのものを伝えたいと思っております。「寺や檀家、地域住民がどのような取り組みをして、まちづくりを図っていくのか」を全国の寺町に紹介したいと考えています。また、もう一つはこの寺町の歴史についてです。大火で失われ、再建された様子をつぶさに見てもらい、米沢の歴史について多くの方に学んで頂ければ嬉しい限りです。

 サミットについては、具体的な内容はまだ決まっておりませんが、開催に向けて板塀や寺町の案内板、駐車スペースの確保などを進めているところです。

たきざわりょうゆう
昭和10年米沢市生まれ。米沢興譲館高校、山形大学教育学部を卒業。教職歴38年。平成8年に米沢一中で退任。現在は観音寺住職。米沢仏教興道会理事。(真言宗醍醐派山形県南部宗務所所長)