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米沢人権擁護委員協議会 会長 島津元氏


 日本国憲法で保障されている基本的人権とそれを守る人権擁護について米沢人権擁護委員協議会会長の島津元氏に活動について伺った。

ーー人権擁護委員はどのように選ばれますか。

島津氏 様々な分野から法務大臣が委嘱した民間の人たちです。1期3年で置賜3市5町の管内には52人、県内は242人、全国では約1万4000人の委員がいます。昭和23年に人権擁護委員令、24年に人権擁護委員法が制定され、世界的にも例がなく日本特有な制度です。

 委員は国民の基本的人権が侵害されないように監視、侵害されたら救済措置、人権侵害されないように人権普及に務める使命や役割があります。そのため、常設で人権相談や人権侵害による被害者の救済、国民一人一人の人権意識を高めるための啓発活動の3本柱で活動しています。

ーー人権を守るということはどういうことですか。

島津氏 「人権は難しい」というように感じますが、人間が人間らしく生きる権利、生まれながらにして持っている権利です。
 暴力や脅し、脅迫、嫌がらせ、差別発言など相手の人権を無視することは人権侵害になります。誰にでも身近で大切なものなのです。相手への日常の思いやり、いたわりの気持ちで守られています。子どもたちには命を大切にし、みんなと仲良くすることだと話しています。

ーー活動の一つ人権相談は重要ですね。

島津氏 常設相談所は法務局米沢支局内に設置されております。今までは週1回でしたが、7月から2回(月・金)にし、相談体制の強化が決まりました。6月1日の「人権擁護委員の日」、12月10日の「人権デー」には無料相談を設けています。

 昨年の人権相談は約470件あり、うち1割が侵害にあたりました。暴力で相手を支配することは相手の人権を無視することになり、許されない行為です。命に関わることもありますから、被害者一人で解決できる問題でもなく、地域の力も必要です。

 全小中学校の子どもたちには人権SOSミニレターを配布し、手紙による人権相談もしています。大人からすれば大したことがないと思われても、子どもたちにとっては、思い悩んだ末の相談なのです。

 米沢支局に送られてきた手紙を委員たちは受け取り、返事を書き送付しています。いじめは自分で自分の命を絶ってしまう事もあり、早く発見して対応しなけれなりません。子どもの人権110番でも電話相談ができます。

ーー人権尊重の啓発・周知活動の取り組みは。

島津氏 今年の重点目標は「みんなで築こう 人権の世紀」ー考えよう相手の気持ち、育てよう思いやりの心ーです。人権は目に見えません。委員の協力を得ながら命の大切さを伝え、地域住民の身近な相談相手として活動していきたいと思います。

 中学生を対象にした人権作文コンテストでは、昨年19校200点の応募があり、南陽市の生徒が県大会で最優秀賞に輝きました。小学生対象の人権書道では57校で3400点の応募がありました。寸劇やお話会、人権七夕の事業では、小さいうちから思いやり、感謝の気持ちが持てるようにと、委員が趣向を凝らしています。

ーー会長としての抱負は。

島津氏 他人を大切にする人権尊重は人の気持ちを変えるわけですから、地道な活動です。地域の理解や協力を得ながら継続していくのが一番と思っています。

 社会の構造が変わってきたことや、高齢化、格差、インターネットなど様々な社会問題が絡み、人権を脅かすような行為が比較的容易になりました。人権侵害や差別があっても潜在化する場合があり、どこに相談したいのかわからない人たちも沢山いるでしょう。人権擁護委員を身近に感じ、お役に立てればと思います。

 委員は色んな職種や経験がありますから経験を生かし、相談者に助言できます。相談することで自ら自分で解決できるような方向になればいいですね。

しまつ はじめ
昭和18年、高畠町二井宿生まれ。上山農業高校卒業、通信教育で法政大学法科で学ぶ。食糧庁食糧事務所(現 農政事務所)に勤務。平成18年 人権擁護委員、平成22年 同副会長、平成24年5月から現職。