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NPO法人おのがわ 理事長 二階堂 富太郎氏


 小野川スキー場は市営として廃止されたものの、昨年11月から「NPO法人おのがわ」が運営、米沢市から無償貸与で存続させている。冬季のリフト収入は前年度比153%増になり、地元関係者らの熱い思いが利用客に繋がった。

ーースキー人口の減少、経済の低迷の中でのNPO法人設立となりましたね。

二階堂氏 地元温泉旅館や商店、スポーツ指導者らが小野川スキー場の存続を訴え、1万2000人の署名を集めましたが、市の財政的な問題もあり止むなく廃止となりました。私たちは小野川温泉のまちづくりにスキー場は欠かせないと思っていましたので、昨年11月、民間団体として「NPO法人おのがわ」を設立しました。米沢市からスキー施設を無償貸与し、12月23日にオープン、3月11日まで営業しました。

 市からは「小野川スキー場利活用支援事業費補助金」として6年間支援をいただきます。事業として温泉街活性化やスポーツ振興の活動、スキー場の運営、物品販売の4つの柱に活動しています。

ーーシーズンが終わり結果はどうでしたか。

二階堂氏 設立初年度はリフト料金や営業日の見直しなど、利用者の目線に立った成果もあり、輸送人員は前年度3万4000人が4万4000人に増加、リフト収入も53%にあたる89万1000円の増と昨年実績を上回りました。

 リフト料金は約30%安く設定したほか1日券や4時間券、回数券、1回、親子券と選択肢を広げました。また、毎週日曜日はスキー子供の日として、子供のリフト券を半額にし、通常の1日券と11回券には小野川温泉の無料入浴券を付けました。営業日も火曜から金曜日は予約制で、ナイト営業も止めましたが、イベント開催ではソリ大開放、雪上サッカー大会、年齢を問わないスキー大会ブリザードカップのほか、スノーイベント、雪灯篭まつりに合わせたナイトスキーも行い、集客アップをめざした多彩な催しを企画してきました。これからもスキー場を小野川ならではの「市民の遊び場」をコンセプトに運営していきたいと思います。

ーー今年の反省と今後の運営は。

二階堂氏 利用者は昨年の実績を上回った反面、赤字をカバーすることはできませんでした。例えば平日の電話担当者の人件費やリフト券の印刷、雪が多く、圧雪機の運用で予想以上に燃料費が高くなったのも原因です。他には、イベントが集中し、一般客が利用できなかった点や平日の貸切りスキー授業が1小学校のみとギャップもありました。ただ、利用客が増えたのは皆様が冬の遊び場として身近に感じられたのではないかと思っています。

 スキー総体や大会の会場になることから、各地区の体育協会や小学校と連携を図り、練習や授業に小野川スキー場を利用してほしいと考えています。スキー指導者も揃っていますので、温泉を利用しながらスポーツ合宿にも力を入れていきたいですね。2年目の今年こそは黒字をめざすために、若干のリフト料金の値上げが必要となってきます。

ーー小野川温泉の今後は。

二階堂氏 小野川は自然に囲まれたアットホームなまちです。温泉街として観光客の受入はもちろんですが、整備しながら通年の観光とまちづくりに貢献できるようになればと考えています。

 スキー場はまちの一部として運営し、夏はリフトを利用した散策や山菜採り、音楽やスポーツ合宿も活用できます。どんな音を出しても騒音にはなりませんので、のびのびと音楽練習ができますよ。市民からの利用の要望には柔軟に対応し、「市民の遊び場」としての小野川にしていきたいと思います。視界を妨げるものはありませんので、星のパノラマは是非見てほしいですね。ぜひお立ち寄りの際は温泉につかって自然にふれあい、心を癒していって下さい。

にかいどう とみたろう
昭和32年米沢市生まれ。県立米沢興譲館高校、札幌商科大学(現札幌学院大学)を卒業後、二階堂旅館を継ぐ。小野川源泉協同組合専務理事。