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湯滝の宿・西屋 代表取締役 遠藤 友紀雄氏


 一昨年、開湯700年を迎えた白布温泉で西屋旅館を営む遠藤友紀雄氏に白布温泉の今後について伺った。

ーー一昨年(平成23年)は、白布温泉の開湯700年祭が行われました。開湯が源頼朝の鎌倉時代にさかのぼるという長い歴史を有していますね。

遠藤氏 私達の先祖は天元台ロープウェーの下にある源泉の場所に、100年に一体ずつのお地蔵様を建立して、源泉に感謝してきました。今回新たに一体のお地蔵様が建立され、先祖からのバトンを引き継いでいる私たちも子孫にそのバトンを渡していくという自覚と責任を新たにしたところです。

ーー西屋旅館の茅屋根がみちがえるようにきれいになりました。

遠藤氏 これまで差茅(さしがや)と呼ばれる葺き替えで毎年補修をしてまいりましたが、少しずつ傷んでおり、昨年全て剥がして丸葺きしました。全面的な葺き替え作業は初めてとなります。茅は旅館の看板でありますし、地域のシンボルとしてこれからも大事に保存していきたいと考えております。ぜひ一度お足を運んで頂き、新しくなった茅屋根を見てみて下さい。

ーー白布温泉にある老舗旅館としての役割は何だと思いますか。

遠藤氏 まずはこの商売を続けいくことが重要だと考えています。そして、子、孫の代へとこの温泉の歴史を繋げていかなければなりません。その際には、700年間、苦楽をともにしてきたお隣の東屋さん、中屋さんとともに白布温泉が一致団結して頑張っていかなければなりません。

 平成12年、不幸にも火災が原因で白布の特徴である東屋さん、中屋さんの茅屋根が消えてしまいましたが、温泉がある以上、私たちはこの長きにわたる歴史を繋いでいく義務があります。西屋旅館として、将来的には、高度経済成長期に建てられた旧別館の建物を取り壊し、豊富な温泉を活かせる設備を作っていきたいと考えています。

 この温泉街の未来に向けて、旅館組合や観光協会等の場で話し合いを積み重ねていきながら、統一された景観を大事にするようなコンセプトにすると同時に、今ある建物を奇麗にし、これまで守られてきた山里の温泉を残していきたいと考えています。そのためには日々の商売がうまく回っていくような仕掛けが大事になっていきます。

ーー東日本大震災に伴う福島第一原発事故で東北の観光が大打撃を受けています。白布温泉の魅力をどのように高め、発信していきますか。

遠藤氏 私が仕事に就いた当初は、米沢市の人口は約9万6000人でしたが、現在はそれより1万人近く減少しました。減少するということは観光する人も減ることを意味します。したがってこれまで以上にたくさん米沢にいらしていただけるような工夫が必要です。当館や白布温泉が常日頃より来て頂いた方にご満足していただき、「もう一度来たい」と思ってもらえるようなおもてなしをしてまいりたいと思います。その方々が「米沢いいところだよ。何がいいって○○さんがよかったよ」と言って頂ければ最高ですね。

 米沢にいらした方に満足していただくために最も重要なことは、おもてなしであり、人情、食べ物が美味しければ、素晴らしい景観や立派な建物もさることながら、より観光の魅力が高まるものと思います。

 まずは自分が手の届く範囲を奇麗にしたり、良い環境へと作り替えることで、当館、更に白布、米沢、山形、日本の発展に広げられる様な活動や仕事をし、子どもの代へとバトンを残していきたいと思います。

えんどうゆきお
 昭和39年米沢市生まれ。米沢興譲館高校、山形大学人文学部卒業後、
平成21年より同旅館代表取締役。現在、米沢観光物産協会理事、米沢商工会議所議員等。