hptitle01

置賜総合支庁長 松田一彦氏


 平成25年4月に置賜総合支庁長に就任した松田一彦氏に、同総合支庁として今年、重点的に取り組む施策や置賜の可能性、新支庁長としての抱負などを伺った。

ーー県の出先機関としての総合支庁は、村山、庄内、置賜、最上の4つのブロックに分れています。産業、観光などの面で置賜の現状をどのように認識されていますか。

松田氏 置賜地域はものづくりの拠点として、有機ELのような先端技術の研究開発地域として特に注目されています。米沢オフィスアルカディアに、4月1日、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターがオープンし、秋には蓄電デバイス研究開発センターもオープン予定です。近い将来、関連産業がこの地域に集積していくことが期待されています。

 一方、農業地域として、米、果樹、アルストロメリアなどの花や、日本の三大ブランドといわれる米沢牛の生産地という大きな特徴を有する地域です。県としても農業予算を大幅に増やすなどで対応していますが、農業立県である山形県を支えているのも置賜地域です。

 地理的な面でいえば、福島、宮城、新潟各県との経済交流、交通ネットワークが繋がる玄関口であり、それを証明したのが東日本大震災の際でした。今後もその地理的な重要性は変わらないと思います。

ーー置賜総合支庁としては、今年はどのような重点施策で臨まれますか。

松田氏 新短期アクションプランを策定しました。その中味は、一つ目には、産業の高付加価値化の推進です。置賜地域は下請型の製造業が多いことから、景気の変動を受けにくい産業群の形成を目指します。有機エレクトロニクス関連産業などが山形大学や米沢栄養大学の学生などの就職の受け皿になればと思います。

 二つ目は農業の6次産業化です。米作りだけでなく野菜や果樹の加工などにより農業の付加価値を高めることです。現在、川西町高豆蒄(こうずく)地区で、土地基盤整備を契機に加工、業務用野菜の産地化を目指しています。置賜地区でのモデルになればいいと思っています。

ーー6次産業化のためには、ハード、ソフト面で、皆が集まって知恵を出すことが必要ですね。

松田氏 例えば、置賜は産直施設が村山地方に比べると比較的小規模なところが多く、まだまだ伸びる余地があると思いますね。簡単に言えば、わらびでも灰汁抜きや一夜漬けといったことも意外とコツがいり、中には面倒だという主婦もいますし、漬物作りも、6次産業化だと思います。

 農業生産額に比べて、割合的に少ない加工品や産直の売上額をどのように伸ばしていくか、置賜の課題だと理解しています。

ーー交流人口を増やす、観光DC(デスティネーション)キャンペーンにも力をいれていますね。

松田氏 土日に上杉神社を訪れてみましたが、天気が良いとすごい人ですね。上杉謙信公、直江兼続公、上杉鷹山公、ほかにも歴史上、特に知られている人物が目白押しで、交流人口を増やす観光資源に恵まれています。

 現在、総合支庁としてDCに向けて、観光資源のデータベースをブラッシュアップしています。従来の団体で来て、観光地を回り、温泉に泊まり宴会をして帰るというパターンから、ある目的のために個人やグループで来て、見たい所だけ見て回るという従来とは違ったニーズが増えてきました。そうした個別のニーズに的確に対応するには、リアルタイムで最新のデータを提供することが重要ですから、インターネットなどによる情報発信を最大限活用してまいります。

ーー総合支庁長として抱負はいかがですか。

松田氏 歴史、自然、人、食など、置賜には多くの宝があります。いろいろなところで、いろいろな人と話をして、直接見て、交流をしていきたいと思います。微力ではありますが、置賜地域の発展に役立つような何らかの足跡が残せたらいいなと思っています。

まつだかずひこ
 昭和29年、山形市生まれ。県立山形南高校、上智大学法学部卒業。昭和53年、山形県庁入庁。東南村山地方事務所を皮切りに、総務部次長、教育庁理事を歴任。平成25年4月より現職。