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有限会社源兵衛堂 代表取締役 松田智博氏


 米沢市で葬祭及び仏具販売を営む源兵衛堂の新社長に就任した松田智博氏にお話を伺った。

ーー300年の歴史を有する老舗ですね。

松田氏 当社は元禄時代に初代の松田源兵衛が、柳町(現米沢市大町)で指物大工を営みながら葬具を作ったことがはじまりです。それ以来、現在まで米沢において約300年間、16代にわたりご葬儀の仕事にた関わらせていただいております。

 市内には他に葬祭の仕事を行っている会社もありますが、主に私たちは通常の葬儀を行われる方のほかに、費用がかけられない方や近親者のみといった家族葬をご希望される方々向けのセットプランもご準備しております。お金をかければ華々しい葬儀でお見送りができますが、私どもは少ないご予算で最高のサービスを心がけております。また、出来る限りのご要望を可能にするため、ご葬儀のご提案をさせて頂いております。これは3代前から続いている考え方を継承しています。

ーー葬儀については、聞きにくい部分もあります。

松田氏 ご家族でお亡くなりになるのは平均しますと10~15年に1度と言われています。一般の方は葬儀について知らなくて当然のことで、作法を思い出せないという方もいらっしゃると思います。かつて葬儀について語ることはタブーとされていた時代もございましたが、現在はご家族だけではなくご自身の葬儀についても考えるようになりました。例えば、家族だけなのか、盛大にするのか、ご家族で話し合い、しっかりお見送りをしていただくことが重要なのです。

 そのため、当社では葬儀についての事前相談会やセミナーを開催しております。故人をどのように弔うかも大切な事ですが、葬儀について知って頂くことも重要だと考えております。ご相談を頂く事により、最小限の費用で最大の効果の葬儀ができるようになります。そして葬儀後に費用面でご納得がいくためにしっかりと打ち合わせをさせて頂いています。

ーー納得のいく葬儀をするにはどのようしたらいいのでしょうか。

松田氏 事故などで突然亡くなられる方を除き、病気等で医師から余命宣告を受けた方はお別れをする準備期間が大切です。自分自身の心の整理もできますし、事前に相談をしていただくことによって、葬儀に対する不安や疑問が解消できます。

 葬儀方法やご案内手順等に不備がありますと、不満が残ってしまう場合もあります。また実際に葬儀社に依頼し、請求書をみて驚かれる方もいらっしゃるのが現状です。そのようなことがないようにするため、事前に相談して十分に納得していただくのも私どもの責任です。当社ではご葬儀会場によって、心に残るお葬式のプランをご準備しております。また必要な商品だけを選んで頂けますので、全ての金額がわかるようにしております。

ーー事前説明会やセミナーとはなんでしょうか?

松田氏 今回保険会社の方を講師に、初めてセミナーを開催致しました。私どもの業界では、いわばエンディングノートの書き方や終活(人生の終わりのための活動)についてご提案をしております。

 自分の終わり方を考える時代ではありますが、私は普段の生活を健康で元気に楽しく暮らさないといけないと考えています。例えば、楽しく生きる為のライフプランニングとして、自分に夢を持つことの意味、十年後になにをするか、自分が死ぬ時のために金銭的にどの程度準備できるのか、といった内容のセミナーを行いました。

 今回は当社の会員様を対象としましたが、次回は相続に関することやお葬式における常識やお包みなどのマナー講座を9月頃に行う予定です。どなたでもご参加頂けますので、お時間がございましたらご参加下さい。

ーー2010年にまごころ会館をオープンされました。

松田氏 現在の主な事業内容としましては、葬祭のほか、仏壇仏具販売、霊柩の3事業と葬儀保険の小額短期保険も行っています。本社2階にあります「まごころホール」は、基本的に通夜のみとさせていただいておりますが、10人以下のご葬儀の場合はお引き受けしております。また、専用車両でご指定の場所までお送りする霊柩事業では、米沢市以外からの搬送業務も賜っておりますので、安心していただけると思います。そして、2010年にオープンしました万世片子のまごころ会館は葬儀のみとさせていただいております。葬儀、段払い、ご法事も利用可能で、最大収容人数80人となっております。ただ、宿泊設備はありませんので、お通夜をご遠慮頂いております。

ーーサービスガイドラインを制定されていますね。

松田氏 当社は全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の葬祭サービスガイドラインを導入しております。安心信頼の専門葬儀社の証しで、58の葬儀社協同組合と全国1374社の葬儀社が加盟し、葬儀・法事などに関する事前のご相談・お見積りを承っています。

 私どもにとっても葬儀に関する事やレベルアップを図る事も目的としています。先ほどもお話ししましたが、ただ葬儀をすればいいという時代ではありません。県内をとっても置賜や庄内では地域性が色濃く残っており、やりかたも様々です。

 お客様が安心して葬儀を行って頂くために、国家試験である葬祭ディレクターの取得はもちろんのこと、ご葬儀の事前相談専門委員(全葬連葬儀事前相談員制度)を取得しております。これは組合が認定しているもので、一つの目安にして頂ければと思います。

ーー葬儀の良し悪しはあるのでしょうか。

松田氏 いい葬儀とはなにか、考えていることによって異なります。また、会葬として参列された方や、ご家族で感じたことでも大きく違うと思います。当社では、お亡くなりになられた方を思い出せる場所や空間、思い出に浸る時間が重要だと考えております。そして何よりも、お客様が安心してご葬儀に臨めることが大きいと思っています。これからもお客様が「安心して依頼できた」、「満足できた」と思って頂くために考え行動していきたいですね。

ーー最後に新社長としての抱負、今後の展望をお願いします。

松田氏 私どもは葬儀をさせていただく方には安心感をご提供することが一番です。「いい葬儀だった」と言われるために事前の準備をご提案させて頂ければと思っています。そして、疑問点がないように、全てお伝えしていくことが現在の目標です。
 現代ではお葬式はタブーではありません。そして、葬儀は十人十色です。お客様でも違いますので、マニュアル通りの同じ対応はできません。私どもは、その時々に変わっていくことをしっかりお伝えすることが使命です。長く続けて来られたのはお客様に見守られてきたからこそであり、これからも米沢の葬儀社として精進してまいりたいと思います。

まつだともひろ
 昭和44年米沢市生まれ。県立米沢商業高校、秋田短期大学商経科卒業後、愛知県北名古屋市にある仏壇の卸業者に勤務。その後、平成6年源兵衛堂に入社、今年1月に新社長就任。事前相談員、葬祭ディレクター1級。