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山形県立米沢女子短期大学 学長 遠藤恵子氏

endoukeiko

学長就任から2期8年の多年にわたり
 法人化、創立60周年、新大学設置に邁進

 今年度で退任する公立学校法人山形県立米沢女子短期大学の遠藤恵子学長に短期大学の置かれている現状と、これまでの成果と今後の課題について伺った。

ーー平成18年4月の就任以来、長年にわたるご活躍に感謝申し上げます。まず学長に就任したきっかけを教えて下さい。

遠藤氏 平成17年11月に大学関係者からお会いしたいという電話が突然かかってきて「学長を引き受けてほしい」というご依頼を受けたのが始まりです。
 もともと米沢とは全くと言っていいほどご縁の無い土地柄でしたが、その後、2、3度お会いし、翌月12月に校舎を見させていただくことになりました。第一印象は学生がとても明るく、人柄も良かったのを覚えています。その時に「うちの大学はなにもないところですが、学生だけが自慢です」という話を聞き、ここで仕事をしようと決めました。

ーー在任中は、公立大学法人化、創立60周年、新大学の設置準備など、これまでを振り返ってみていかがでしたか。

遠藤氏 私が就任して間もなく、県が法人化を検討していることを聞きました。法人化にあたって、運営面などで細々としたところを県と協議しなければなりません。私どもも様々な要望を出しましたが、実現できなかったことも多々ありました。
 そして、創立60周年ではこれまでの大学の歴史を見返すができ、学科再編と4年制化の必要性を改めて感じるきっかけとなりました。米沢女子短大は、長い歴史と伝統ある大学ですが、現在のままでは志願する学生が減っていきます。背景には4年制大学を志望する高校生が多いです。まずは、社会ニーズの高い管理栄養士課程に着目しました。
 健康栄養学科は栄養士しかとれないませんが、管理栄養士になればワンランク上の専門的知識を学べ、社会で活躍する人材を作るには、特別な資格や技術が求められます。
 実は栄養士と管理栄養士は正看護師と准看護師以上に差がある問題なのです。

ーー少子高齢化の中で、今後の短期大学のあり方や学生の囲い込みについて何が必要でしょうか。

遠藤氏 今の学生たちは地元志向が高く、その次に東京、仙台などの都会に行く傾向があります。また、今後若者の人口は増々減り、短期大学に志願する人も減少するのが目に見えています。それが加速するのが5、6年後だと考えています。
 地の利で言えば、米沢は決して便利な場所でありません。今の内から手を打たなければ、大学そのものの存続が危うくなってしまいます。できれば米沢栄養大学が開校次第、次の一手を打つべきです。ですが、まだ県は方向性を決めていないのが現状です。
 私が学長に就任した際は公立短期大学協会に加盟する大学は全国26校ありましたが、いまは4年制化され、17校となりました。全国的にも、毎年1校ほど減っていく計算です。しかも、米沢のように1学科だけでなく、全学科が4年制に移管しています。
 栄養学科を4年制化するだけで5年の歳月がかかりました。5、6年後のことを考えるといまいまの問題なのです。

ーー米沢市内には、4月から山大工学部、米沢女子短大、米沢栄養大学の3大学体制となり、新たな取り組みが期待されています。

遠藤氏 米沢栄養大学と米沢女子短大は姉妹校です。校舎も一部共用ですので、さらに密接に交流して行くことになります。そして、4年制の栄養大は、山大工学部と共同研究や単位互換制度など、今まで以上に広がる可能性があり、学生間の交流は活発になることが予想されます。
 これまで米沢市民の方には、学生のために心を配って頂いて感謝してもらってます。地域活動や町内会、大学との連携など学生と地域住民が多くの活動をしてきました。大学では学べないことを指導して下さって本当に恵まれた大学だと思います。学生にも「こんなに可愛がってもらえる地域は無いよ」と伝えています。本当に地域の方にうまく育ててもらいました。

ーー今後はどのような取り組みをしていきたいですか。
遠藤氏 これからは週に一度、講師として2コマの授業を受け持ちます。女子学生は男子学生と比べると自己評価が低いです。これからは女子が活躍する時代だからこそ、ぜひ自信を持ってチャレンジしてもらえる授業を行いたいと思います。
 応援して下さった市民の皆様、今まで本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願い致します。

2014年3月30日米沢日報掲載
2015年1月24日20:00配信

えんどうけいこ
 昭和19年、宮城県仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程社会学専攻、文学修士。18年4月、山形県立米沢女子短期大学長就任。専門は社会学(家族社会学・高齢社会論・ジェンダー論)