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立正佼成会米沢教会 教会長 岩間由記子氏


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 平成27年12月6日、立正佼成会米沢教会教会長に就任した岩間由記子氏に、新教会長としての抱負について聞いた。(インタビューは成澤礼夫米沢日報デジタル社長)

ーー岩間教会長は前任地が花巻と伺いました。花巻というと、花巻温泉や農村詩人の宮澤賢治が思い浮かびます。そして、この度は同じ東北の米沢に赴任されたわけですが、米沢と決まった時のお気持ちはいかがでしたか。

岩間教会長 私の中での米沢のイメージは上杉鷹山公に代表される偉人を輩出した地ということです。その土地の風土は精神形成に大きな影響を与えますから、ある意味では環境が人を創ると言えると思います。上杉鷹山公という偉人がこの地で藩政改革を行ったという歴史は私にとりとても興味がありました。今度は、外からの見方ではなく、この米沢に私自身が住んで学べるというのはワクワクする思いですね。すごく楽しみで来ました。前任地の花巻では、宮澤賢治を学びました。彼の生き方のベースには法華経がありました。立正佼成会の所依の教典も法華経です。

ーー教会長としては、花巻に続いて米沢が二つ目の教会となるわけですが、米沢教会長としての抱負はいかがですか。

岩間教会長 私の気持ちとしては、まずは新しい土地に慣れ、人に慣れ、言葉に慣れるということが第一ですね。そして、地域社会の皆様、会員さんから学ばさせて頂きたいと思います。先程も述べましたが、この米沢は上杉鷹山公による改革が行われた場所でした。封建時代に生きた上杉鷹山公がいまの時代にも通じる普遍的な精神に立って、人々を導いたというその精神をより深く知りたいと思います。
 仏教の根本思想は無常観ですが、それは物事は一つとして一カ所に留まることはなく、常に変わっていくという教えです。私は、無常=改革だと思うのです。私自身の中では明確な意識はなかったのですが、自分がもっと成長するために仏様がお手配して下さり、私にピッタリの場所をお与えて下さったのではないかと思います。従いまして、抱負という意味では、広く、深くしっかり学ばさせて頂きたいなというのが今の気持ちです。そして自分自身を成長させていきたいと思います。

ーー同感ですね。私も昨日より今日、今日よりも明日と、やはり進歩していきたいと思います。

岩間教会長 立正佼成会の庭野日鑛会長先生が言われるように、テーマや目標や誓願を持って行く事が大事ですね。そしてその実現のために、努力と思惟(しゆい)を行うことだと思います。人は本だけではなかなか、ちゃんと聞いたり学んだりすることができません。人さまとのご縁を頂いて、その人の心の作用を受けて自らの生き方に反映、フィードバックできると思います。ここ米沢は上杉家の質実剛健やその精神性という面で本当に素晴らしいところだと思います。上杉鷹山公の生涯や「なせばなる」という生き方、その精神にもっと触れたいですね。

ーー岩間教会長が信心するきっかけは何でしたか。

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岩間教会長 母が立正佼成会で学び信仰していましたから、私はよく言われる2代目ではあるのですが、私はある意味異端児かもしれません。教会にきちんと行き始めたのは30歳からでした。私の中には、どこかに宗教というものは特別な人たちが行って信仰しているように考えていたのです。母は母、私は私というように、私に教会は必要ないと思ってずっと過ごしていました。
 結婚して子供が授かりましたが、ある時に小児喘息の発作を起こしたのです。その時に、自分がいくら努力しても努力したようにはならない、どうしても超えられないものがあると気付かされたのです。その時に、回りの人たちがどこかで支え守ってくださり、助けて下さり、私も親という役割を通して子供の病気を通して真実の世界に目を醒させてもらったと受けとめています。

ーー立正佼成会教会長は、同会の学林と呼ばれる教育機関のご出身が多いのですが、岩間教会長は東洋大学経営学部という異色のご経歴ですね。

岩間教会長 大学では経営学部に学び、広告学研究会に所属してコマーシャルを作ったりしていました。私は50歳まで在家仏教徒の一人でした。秋田教会では総務部長というお役を頂きましたが、基本的に在家出身の教会長ですから、会員の皆さんと何ら変わりがないと思っています。立正佼成会自体が、在家の仏教集団と定義しています。教会長として、在家出身という視点も大事にしていきたいなと思います。

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ーー本日(1月7日)、庭野日鑛会長先生による御親教がインターネット中継されました。その中で、二つの言葉、「燈明」と「温習」を述べられていましたが、どんなメッセージとして受け止めたらいいですか。

岩間教会長 仏教の根本には、「三法帰依」というのがあります。それは「仏・法・僧」と言われる3つの柱ですが、これは仏教徒にとり宝物だと思います。その基本になる教えの一つが「法燈明」です。この燈明を絶やすことなく、教えを実践していくことが大事です。
 もう一つが「温習」です。繰り返し、繰り返し、教えを学んでいく。そこから自分自身を振り返り、反省懺悔(はんせいさんげ)に繋がり、自己の内省につながります。この「温習」「燈明」の二つの言葉を通して、明るく、優しく、温かく、学んでいくということを庭野日鑛会長先生から私たちに投げて頂いたと思います。

ーー東日本大震災の時に、立正佼成会は教会としていち早く救援活動に取り組まれました。また、宗教者同士が語らい合うことで、世界の平和を実現していこうという世界宗教者平和会議(WCRP)の強力な推進団体です。
 「アフリカに毛布を送る運動」、「一食運動」など、地道にコツコツ、息の長い活動をされていますね。

岩間教会長 「アフリカに毛布を送る運動」、「一食運動」などの活動を通して、私たちは世界の困っている人たちと繋げて頂けるというのは有り難いことだと思います。また、そのような活動をやりたくてもやり方が解らない人が沢山いると思うのですが、私たちが「アフリカに毛布を送る運動」を行って行く中で、その活動を知って頂き輪に入って頂いたり、さらに大きな活動を始められる機会となるかも知れません。私たちは一人でも多くの人たちと話ができたらいいなと思います。一食(いちじき)運動もそのような広がりを期待するものです。

ーーボランティア活動は、やり方でハードルが高いとなかなか継続ができません。

岩間教会長 そうだと思います。いつでも、どこでも、誰でも、いつまでもやれることが菩薩行だと思うのです。またこれが解らないとできないとか、ここまでできていないとやれないというのは、ちょっと違う気がすると思うのです。どんな人でもやれる事があると思うし、その人のやったことが必ず喜んでくれる人がいるのです。

ーー立正佼成会では種々の会合の度に、いろいろな方々が自らの赤裸々な体験発表をされています。人前でそのようなお話をすることで、何に気付かされることになるのですか。

岩間教会長 それは自分で自分を変えていくことに繋がります。自分自身が変わることで物事が良き方向に進みます。例えば、体験発表をする方がそのお説法原稿を書くまでに「行」があります。やはり、書くためには自分自身を振り返りることが必要となりますから、良き本を読んだり、人の話を聞いたり、そして書いて自分の言葉にしてみると自分のものになります。それが書写行です。そこまで行って始めて相手に伝わるのです。それを仏教では、「五種法師の修行」と言っています。

ーーご趣味は何ですか。

岩間教会長 車でのドライブが好きですね。映画もDVDではなく、映画館で観る映画が好きです。

ーー座右の銘は何ですか。

「自燈明法燈明」(じとうみょうほうとうみょう)、仏性礼拝行(ぶっしょうらいはいぎょう)、一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)です。

《用語の説明》
自燈明法燈明:お釈迦さまは自分が亡くなった後、弟子たちが自分自身を灯明とし、お釈迦さまの教えた法(真理)を灯明として、怠らずに修行するようにと残した言葉。
仏性礼拝:仏さまと私たちの距離を離しているものは我執。仏性礼拝に徹することで、ものごとにとらわれがなくなり、私たちの心に燦然と仏性が輝きだしてくること。
一切衆生悉有仏性:どんな人も仏の子であり、仏にある資質を持って生まれてきたということ。

プロフィール:
 いわまゆきこ。昭和34年(1959)、秋田県横手市生まれ。東洋大学経営学部卒業。大学時代は広告学研究会所属。30歳の時に入職。平成13年、秋田教会総務部長、同20年、本部教育グループ勤務。同21年12月、花巻教会長就任、同27年12月、米沢教会長就任(東日本教区 東北支教区長)。

(2016年1月10日13:30配信、1月14日最終版配信)