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          文芸サロン

平成27年県南俳句大会

〈白鷹まんさく俳句会〉
立て掛けし用無き杖や彼岸花    湯澤裕子
山繭のたをやめの手に蹴られけり  新野美佐子
天と地の鎮定願ふ笹かざり     東海林朝子
盆来たる何処も郷を膨らます    山口恵子
星たべて星を揺らして鯉の秋    金田清子
野仏の弟子のごとくに野菊かな   迎田幸子
朝曇り居住まい正す草木かな    菅 きく
夜の秋音無きをふとあやしめり   竹田 秀
紅唇や目深に被る夏帽子      小林香代子
老鶯の半語で森を後にする     岩崎武雄
代筆の弔電震え油照り       高橋弘子

〈小国たにし俳句会〉
夏霧の山這ひのぼる夜明けかな   渡部 仁
年ごとに小さき輪となる盆踊り   貝沼 修
きどこ寝の首振り続く扇風機    佐藤まりお
盆の月母の齢をとうに過ぎ     菊地美代子
村中が留守かも知れぬ盆踊り    斉藤トシ
村去りし人も集まる盆踊り     伊藤芳子
朝顔のつるは気ままを通しけり   今 勝子
マタギ村灯の洩れてゐる明かり窓  加藤宵村
夏衣箪笥に母のくずし文字     安部昌晴
山あいの日の沈みゆく芒かな    小松芳春
夏の川ここまで流れ水細き     前田春枝
宮社に鳥寄り来るや秋の風     梅津織女
つくつくし裏の草原風立ちぬ    伊藤かず
村中の下駄の集まる盆踊り     山遊亭金太郎

〈川西俳句会〉
吹き渡る瑞穂の国の青田風     猪狩セツ子
朝顔の萎む歯医者の機械音     遠藤耕一
構造の崩るる予感梅雨議会     金子つとむ
満開のくちなし匂ふ戸口まで    金子迪代
法名をなぞりて洗う母の墓     鈴木てる子
まどろみを促す団扇うごかしぬ   竹田忠子
花も葉も人も萎まる炎暑かな    村山のりお
死に損なひ幾度戻り曼珠沙華    吉水翔並

〈南陽俳句会〉
ごきぶりを打って一発芸といふ   斉藤かつ志
草笛の男雨情のひとさわり     鈴木あきを
去来忌や痕跡のみの羅生門     船山詞月
行進曲響き渡るや蟻の国      佐藤かほり
土埃みるみる匂い夕立かな     高橋多美子
夕月夜当てのないのに遠出かな   小関郁子
鰯雲声の華やぐ山ガール      舟山寿子
蝉しぐれ国会討論猛々し      新山俊子
手軽さが旨さに通ずうこぎ飯    鈴木道子
天辺は神の領域大銀杏       加藤けい子
でで虫を羨やむ仮設住居の子    佐藤興中

〈高畠まほろば俳句会〉
凌霄のはてなき空に伸びゆけリ   佐藤正代
捩花を誰か運びし庭先に      武田忠三
雨しとど路地吹きぬける夏の風   中村サクエ
遠花火元気ですかと案じつつ    清水チエ子
新涼の縄文女神玄関に       島津絹代
思い出は古りし扇子の絵柄にも   大塚喜久能
この先は羽州街道山滴る      中手保子
越の海玫瑰咲きて砂の道      斉藤柳龍
語り部の佳境に入りし虫時雨    高梨駒女

〈孟宗おきたま俳句会〉
にんにくをたっぷり利かせ夏料理  佐藤幸子
御廟所をつつむ涼気や杉木立    嵐田とみ
秋風の匂ひもたたみ濯ぎもの    寒河江孝子
星降る如線香花火零れけり     二瓶あんじゅ
麦茶より麦酒が好きな夕餉かな   皆川京子
ワンテンポずれる体操にじむ汗   高橋忠子
夕蝉につつましき今日の幸想う   木村 舳
晩秋の一筋の道回顧の碑      渡辺未知子
見上ぐ子に零れる如き銀河かな   村上清江
何事もゆとり欲しきや秋の暮    山中よし
早起きて雑草退治雨で立つ     阿部とよ
あめんぼう水ごと地球持ち上げる  加藤啓子
原爆忌田に来て水を飲む狸     小島敏雄
花火の児特等席は肩車       鏡たか子
命燃やし影を濃くして夏木立    山田千代子
河骨や箱入り娘妍競う       佐藤繁夫
デイサービス帰る時刻や雷の音   片平仁右衛門
生身魂二度と戦はしたくない    沢田稲花

〈菜の花俳句会〉
豊年や愛宕の山に声が飛ぶ     今泉忩子
腰痛をかかえておりし暑気中り   小川ひかる
人声の近づいて来るはちすかな   片山 毬
のうぜんの咲き切ってをり寺の鐘  鈴木テルエ
秋暑し近くに止まる救急車     高野シゲ子
小鼓のお稽古らしき小鳥来る    行方絹代
清流に朝日射し来る山女魚かな   間宮眞貴子
若者のピンク似合へり雲の峰    結城芳理

〈米沢雅俳句会〉
老人のひとり煙草や竹煮草     島津登志
朝涼の一刻仏壇磨きをり      鶴巻日々来
鰯雲笑みを浮かべて眠る嬰     舟山 慶
腓返り空蝉踏みし咎ならむ     田村 柊
田の神の稿柄すがし夏衣      島津一花

〈米沢俳句会〉
女医さんの前では泣かぬ寝冷えの子 猪俣洋子
子は野球吾は句会へと子規忌かな  小島緑泉
破風繕ふ新藁の香の広ごりぬ    磯部知子
夏まつり旧町名の踊り出る     伊藤 勉
君と来し笹川の流れ星月夜     小川孝子
タラップにパイプの人や終戦日   神原省治
殉教の丘に崩れる雲の峰      木村正子
今生のアドリブ交す虫時雨     佐々木昭
綿菓子の奥に顔あり秋まつり    佐々木泰子
露草や瑠璃の滴る雨の中      佐々木清子
土蒸せば避難地求め蚯蚓這ふ    佐藤和雄
ファッション誌廃品行で夏終る   佐藤君子
野辺行けば浄土に続く彼岸花    高橋寿子
秋の夜の親子語らう絵本かな    田中寛子
鈴虫や話とてなき老夫婦      戸田三郎
酔芙蓉ほろ酔いのまま夕昏れぬ   永井しげ子
原発の再稼働てふ天の蝉      原田芦雪

(2015年9月10日18:50配信)