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          文芸サロン

平成29年県南俳句大会
                   と き:平成29年9月3日(日)
                   ところ:米沢市西部コミュニティセンター

17-01










〈白鷹まんさく俳句会〉
小流れの子守唄としあやめ咲く       山口恵子
母思ふ子の短冊や星まつり         小林香代子
通り雨溽暑(じょくしょ)とどまる夕餉かな 竹田 秀
梅雨明けの鎌研ぎ始め夫の声        高橋弘子
暮れていく出羽の山々茄子の紺       新野美佐子
熊野岳じぐざぐ進む夏帽子         東海林朝子
扇風機取り合ひになる昭和の子       迎田幸子
父母の無き生家古ぶや茗荷の子       湯沢裕子
絵扇をかざす踊りや男舞ふ         岩崎武雄
野良着捨て日傘の人となりにけり      菅 きく

17-02









〈小国たにし俳句会〉
父母偲び祈る背中に蝉しぐれ        青木紀子
蛍の夜むかしの闇を持ち帰へる       伊藤かず
草も木も黙して日盛りやり過す       伊藤恵子
夏の雲句友は花を抱いて来し        梅津織女
幼子の背丈に遊ぶ夏の蝶          貝沼 修
日盛りの木の下求め腰下ろす        河内昭佐
水光るここぞとばかり囮(おとり)鮎    小松芳晴
髪切りし少女の肌の水着あと        今 勝子
いさかひの長き沈黙金魚玉         金 邦夫
日盛りは何するでなし皆無口        斉藤トシ
歌予選通りしことを溝萩草         佐藤真里夫
日盛りや固く閉ざされ修行堂        山遊亭金太郎
われも入り一足早き盆踊り         前田春枝
日盛りを植木鋏の音が切る         渡部 仁

17-03










〈川西俳句会〉
干し梅の夜の帷(とばり)に香を放つ    猪狩セツ子
青梅に自然淘汰と言う落果         遠藤耕一
白き指鍵盤はしる緑の夜          金子つとむ
あぜ道に子らが見つけし蛇の衣       嶋田伸子
帰省の子まずは猫撫でリュック置く     鈴木てる子
夏肌の吾妻は里に風おろし         山口由紀子
山裾へ続く青田の風美(うま)し      吉水翔並
嫋(たお)やかに結び葉空に櫟立つ     吉野 諸


17-04


〈南陽俳句会〉
阿僧祇(あそうぎ)といふ数もあり大銀河  船山詞月
勾玉の首輪がひとつ夏つばめ        小関郁子
じゃんけんに負けてさくらんぼが畢(ことおわ)る
                     斉藤かつ志
蜘蛛の囲のあるじは見えず日和雨      鈴木あきを
千年の聖者の声か蝉時雨          船山けい子
盆踊りゆらり故人も輪に入り        佐藤和子
蛇衣を脱ぐや我が家の庭奥に        佐藤正代
一騎討ち緑の夜の星と星          高橋多美子
蟻の道地下の不夜城へと続く        佐藤かほり
あぢさい苑抜けて艶めく風の色       加藤けい子
葡萄熟れ生涯現役また楽し         佐藤興中

17-1517-07


〈孟宗おきたま俳句会〉
熱帯夜ヒアリもヒートアップかな      佐藤幸子
行く夏や学び舎の影踏み仰ぐ        寒河江孝子
土用干し紫蘇(しそ)の香りや気迫倍    阿部とよ
古傘をさされ花壇のミニトマト       加藤啓子
小茄子漬けの紫紺の色や走る箸       吉田ふみ子
白百合の香り仄(かす)かな夕明り     鏡たか子
戦争は語りきれない青嵐          山田千代子
溝浚之共謀罪成る朝黙           村上清江
桑の実の黒熟いずこお舎利色        佐藤繁夫
湯上がりの夫とベランダ夜の秋       高橋忠子
雲の峰死期近き眼に映れるや        小島敏雄
立ち退きの近づく暮し夏の霧        渡辺未知子
打水の其処より暮るる大地かな       二瓶あんじゅ
矢車に夏風なびく幟かな          金子松太郎
プール日の帰宅一声「腹へった」      皆川京子

17-08


〈米沢雅俳句会〉
きりきりと巻かれ上手や落し文       島津登志
くちなしの今朝も一輪咲く香        渡辺健三
よもつくにの使者かな黒き揚羽蝶      田村 柊
月の出やいよよ佳境に水焔能        鶴巻日々来
死ぬよりも病むが怖(おそろ)し法師蝉   舟山 慶

〈米沢俳句会〉
鉄槌を下すがごとき梅雨の雷        猪俣洋子
朝涼の少年少女始発駅           小島緑泉
蜩やもののあわれをかなかなと       石口達郎
八月や夢に敵機の急降下          磯部知子
そよ風や色香尽して百合の園        伊藤 勉
陽炎やあれから六年浪江町         小川孝子
あじさいの紫陽花たるや変化して      神原省治
夏まつり昔なつかし下駄の音        木村正子
補陀落(ふだらく)を目指す流灯闇の揺れ  佐々木昭
蛍の火ふと父かとも母かとも        佐々木泰子
草むしり足腰癒す隙もなし         佐々木清子
朝ぼらけ青田を渡る風の道         佐藤和雄
裏庭の鳴き疲れたる雨蛙          佐藤君子
御霊屋の闇の深さや木の葉木菟       高橋寿子
風吹いてひょいと顔出す草の花       田中寛子
定命や余生を生きる花木槿         原田芦雪

(2017年9月8日18:00配信)