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          文芸サロン

平成30年県南俳句大会
                   と き:平成30年9月2日(日)
                   ところ:米沢市西部コミュニティセンター


kennan2018

〈白鷹まんさく俳句会〉
秋立てば旅へ誘う便りかな     岩崎武雄
落日に肌を染めたる鰯雲      菅 きく
病癒え巡る観音秋日和       小林香代子
空蝉や打たれる杭にしがみつく   高橋弘子
忠魂の星瞬きぬ敗戦忌       竹田 秀
空蝉や四股に余力のなほありて   東海林朝子
白埴の甕の手ざはり秋立てり    新野美佐子
子を迎ふ小さく低く茄子の牛    迎田幸子
方言の台詞に沸くや村芝居     湯沢裕子
夕焼けにまみれていたり部活の子  山口恵子

〈小国たにし俳句会〉
紫陽花や古寺もよし路地もよし  青木紀子
雨上り零むらさき茄子の花    伊藤恵子
甕涼し水でなければ鳴らぬ音   こんくにを
職人の鞐(はこぜ)外せる三尺寝 貝沼 修
草むしる額を拭ふ老二人     小松芳晴
夏座敷母より若き祖母の顔    安部昌晴
尺取の天狗の鼻を測りをり    山遊亭金太郎
縁側にごろり昼寝や三毛の猫   河内昭佐
煌煌と日差し茶の間に文月かな  佐藤真里夫
昼寝覚め電話の声のうらがへり  今 勝子
軒下に蒜玉(にんにく)干して百姓家 斉藤トシ
氷菓子負けず嫌いの老二人    前田春枝
梅雨に入る心のままに便り書く  梅津織女
冷麦の昼餉山風通り過ぎ     伊藤かず
水音や肌に夜風の触れて夏    渡部 仁

〈川西俳句会〉
身に危険ありの猛暑日耳に馴れ  猪狩セツ子
畑の朝確かな実り茄子の紺    遠藤耕一
遺跡より湧く縄文の赤とんぼ   金子つとむ
汚染土の山と積まれし大暑かな  栗田政弘
新涼や野良着のままの立ち話   鈴木てる子
夏山のいで湯いただく佳きひと日 山口由紀子
夏草や廃屋日々に沈みけり    吉水翔並

〈孟宗俳句会〉
身の丈は添う木に任せ凌霄花(のうぜんか)佐藤幸子
帰省子のでんと居すわる夏座敷  寒河江孝子
夏暁や穂孕み太き主安堵     阿部とよ
昼顔や月夜に咲けぬ性なりし   加藤啓子
打ち水や心静かに客を待つ    吉田ふみ子
カナカナと侘びを呼び合ふ日暮里 鏡たか子
緑蔭に風を聴く人文殊堂     村上清江
秋めきて日毎に太る女郎蜘蛛   佐藤繁夫
秋めくやガッツに眠る童     高橋忠子
芒野に妹呼ぶ声や姉さんと    山口節子
青騒のつかずはなれず厨窓    渡辺未知子
せせらぎに螢火ひとつ置く夕べ  二瓶あんじゅ
草むらの虫の音色は子もり唄   岩間澄子
夏雲の中に宿るや陽の力     皆川京子

〈菜の花俳句会〉
外出の手提げに入れし扇かな   今泉●子(「公」の下に「心」)
図書館に逃げてゐたりし残暑かな 片山球子
出展の大書に挑む酷暑かな    高野すみれ
奥方の廟所参りや落し文     行方絹代
百歳を迎える母の浴衣かな    間宮眞貴
土用鰻任せてをりし厨ごと    結城芳理

〈米沢雅俳句会〉
立葵先づは古刹の由緒書     鶴巻日々来
上杉の城下は溽暑黙の街     舟山 慶
猫どちもげんなり伸びて酷暑かな 島津登志
甲虫ロフトは僕の天守閣     鈴木 扇
初蝉や七日の生を謳歌せよ    田村 柊

〈米沢俳句会〉
窓開けてひとりの朝餉小鳥来る  猪俣洋子
城跡は石碑一つに蝉時雨     小島緑泉
お裾分け茗荷嫌いでありにけり  石口達郎
何気なく居ずまい正し夜の秋   磯部知子
解体の重機ひねもす暑苦し    伊藤 勉
夏の夜の言葉虚しき君の背    小川孝子
言い訳を全て酷暑の故にして   神原省治
つる先にからむ風あり烏瓜    木村正子
人の世や五十歩百歩の蝸牛    佐々木昭
天瓜粉打ちてみどり児裏返す   佐々木泰子
背負われて小若の眠る秋祭    佐々木清子
張り詰めの弓場のしじまや虫の声 佐藤和雄
軒先の南部風鈴鳴りひびく    佐藤君子
青春のうずき懐かし草いきれ   高橋寿子
虫の音に誘われて闇ただ静か   田中寛子
氾濫の傷痕未だ夏の果て     濱田洋子
広島忌被爆者地球市民なり    原田芦雪
奥山の岩に張り付く苔の花    山口雀昭

(2018年9月9日17:20配信)