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         文芸サロン

孟宗おきたま短歌会 三月

雪の音しんしんのなか救急車行く      嵐田とみ
三回忌星は遠くに春の宵          山田千代子
ゆるやかに心融けゆく雪解水        寒河江孝子
昭和通寒さが弛み轍あと          渡辺未知子
春光や持ち上げている重き雪        皆川京子
雪道を歩く御空の下弦月          片平仁右衛門
背伸びする寸にも足らぬ雪間草       髙橋忠子
冬晴や日向を頬に集めたり         鏡たか子
万物をひとしくつつむ雪解光        佐藤幸子
振り漢字忘れる早し春隣          小島敏雄
冬木(フユ)の芽の健気に耐えて八十路道  木村 舳
曲水の詩の流れ見つ小盃          大塚野菊
年輪に去年を刻み緑立つ          山中よし
痛々し枝折れ除雪腰に飯(おにぎり)    阿部とよ
ふきのとう春の香を仏前に         有路シズヨ
鵯(ヒヨドリ)の奇声一発春開く      佐藤繁夫
内裏雛今宵寄り添ふ緋毛氈(ひもうせん)  二瓶あんじゅ
屋根の雪崩れ第九の音に似し        島津繭子
仏壇にバレンタインのチョコ一つ      鏡たか子
四年目の仮敷きしむや春寒し        村上清江
雪国は雪に逆らう事できず         島貫文昭
タイは二月王の如くに象に乗る       加藤啓子
風花の忘却線にフクシマや         沢田稲花