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1月13日

特集 / 干支にちなんだ巨大雪像制作

 建設資材販売を手がける(株)大清=米沢市中央4=の入り口前に、雪で象(かたど)られた巨大な今年の干支「巳」が登場した。台座の上に渦巻き状に巻かれた全長10㍍ほどの大蛇が一夜にして現れ、訪れた人や通行人たちを驚かせている。その裏では雪を楽しんでもらいたいと巨大雪像づくりに挑む1人の男性がいる。

○モチーフは世界最大の蛇

 雪像づくりは、同社設備機材課に勤務する中村真也さん(29)が手がけている。年末休みに入った昨年12月30日に、たった1人で4時間かけて作り上げた。

 今年の蛇のモチーフとなったのは世界最大種の「ビルマニシキヘビ」。実物は4、5㍍ほどだが、中村さんが制作したのは全長10㍍の超巨大な蛇だ。「蛇はあまり好きではない」と話す中村さんだが「誰でも作れる真っすぐな蛇やトグロは嫌だった」という。愛らしくなるほど蛇の画像を見て研究を重ね、最終的には台座に乗った高さ150㌢、幅160㌢の巨大なトグロを巻く蛇が完成した。

 製作している最中に、家族から「インパクトが弱い」と言われ、獲物を狙うように頭部を上げた。蛇の目には雑貨屋で購入したトマトの模型と、蛇の特徴である舌は祖父が作った段ボールを取り付け、カラースプレーでビルマニシキヘビの特徴である黄色に染め上げた。

 金運を招くとされる蛇には様々な意味合いが込められており、中村さんは「蛇は神様の使い」との意味を込め、鏡餅などをお供え物として添え多くの人を待っている。

○素手で作る芸術作品

 製作で使う道具としたら素手が大半だ。雪灯篭を作るようにコンパネで雪を固めてから素手やシャベルで削り出すが、かなり根気のいる作業である。さらには雪が積もったら払いのけたり、溶けてきた部分を補修したりと、毎日欠かさず手入れをしなければならず、なんとも"デリケートな蛇"なのである。

 昨年は会社の入り口に辰にちなんだ巨大な龍を製作したが、休み明けのオープンには壊さざるを得なくなってしまったことから、今年は入り口脇のスペースに製作。現在も欠かさず愛情を込めながら手入れをしているため、原形を保っている。天候にもよるが、1月中旬には取り壊し、残りの雪は2月9、10、11の上杉雪灯篭まつりに合わせて新しい雪像に生まれ変わる予定だという。

 中村さんは、趣味と雪への愛着が講じて始めた雪像づくり。今では時間を見つけては東京や博物館や美術館巡りを行い、干支の雪像づくりのヒントを得ている。

 6年目になった今年の製作が終わったものの、中村さんの今の悩みの種は来年の干支「午」づくりだ。「雪で馬が立つ姿が再現できるかどうか。今からゆっきり考えていきたい」とさっそく年末に向けて準備を進めている。

○遊びの延長から巨大雪像へ

 中村さんは米沢興譲館高校、成蹊大学を卒業後、オフィス家具を扱う企業に勤務。雪とはほとんど無縁な横浜と大阪に赴任したが、地元に帰省した際に「米沢の人に雪をもっと楽しんでほしい」と思い、6年前に、1㍍20〜30センチ程度の鼠の雪像を作った。

 中村さんは「当初は雪あそびの延長だった」と振り返る。翌年の丑年には制作時間2時間、大きさも倍の2㍍を超えるほどとなり、大人が裕に乗れるくらいのものを作り上げた。その後も徐々に巨大化し、細部までこだわりクオリティを高めながらこれまで続けてきた。雪像作りも毎年年末になると周辺住民から「いつ作るんだ」と聞かれるほどまでに定着してきた。今では会社があるあら町通りの名物ともなり、通行人や訪れた人たちの注目を集めている。

○雪を楽しみこよなく愛したい

 中村さんは「お正月に家族写真を撮っても、何年の写真かは忘れてしまうものです。その年の干支と一緒に写真を撮ると、もう少し長い時間で家族の成長を感じることが出来ます。例えば、ヘビの時は母に抱えられていた子供が、馬の時には立っていたなんていうように。だからこの雪像の目で写真を撮りたいと思ってもらえるものでなければいけないのです」と話している。

 中村さんは昭和58年の亥年生まれ。6年後の自分の干支に向けて、「イノシシの前では自分の子供と一緒に写真にうつりたいです(笑)」と笑みを浮かべていた。