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6月14日

米沢市に県初「無料低額宿泊所」開所

 米沢市で、有機農業の研修事業や有機野菜を使った安全・安心の食を提供する自然農食・お惣菜カフェ「菜菜(nana)」(テクノブラザ米沢内)の経営を手掛ける、NPO法人自然農食やまがたよもぎの会(増田勇一理事長、以下「よもぎの会」)は、5月27日から県初となる「光と風 無料低額宿泊所(丸山亜希施設長)」を米沢市矢来に開所した。

 無料低額宿泊所とは、社会福祉法第2条第3項第8号に規定される、「住宅等に困っている生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他施設を利用させる事業(無料低額宿泊事業)」と言われるもの。この事業は、厚生労働省が所管し、直接的な申請窓口は県(置賜総合支庁福祉課)となる。

 よもぎの会は、平成22年6月より、厚生労働省の求職者支援訓練である「有機栽培就農科」を開講し、有機栽培の基礎知識と栽培技術を指導してきた。また、同会の活動と連携したフードバンク山形を平成23年11月にスタートさせるなど、生活困窮者や高齢者の雇用と生活を支援する取り組みを行ってきた。その中で、関東圏ではすでに10年以上前から取り組みが始まっている「無料低額宿泊所」を米沢にも開所することにした。

 増田理事長は、「これまでは地域社会の結束が強く血縁の面倒を見てきた親戚縁者も、『無縁社会』という言葉に象徴されるように、少子高齢化時代とともに対応が難しくなっている。経済のグローバル化とともに、米沢のような地方都市でも生活保護世帯や低所得世帯が増えてきている。生活の基盤は何といっても住居だが、無収入や著しく収入の低い方々の受け皿づくりが急務だと判断した。それを解決するためには『無料低額宿泊所』が米沢市に必要だと思いました」と話す。

 丸山施設長によれば、東京都では無料低額宿泊所への入居希望者が1万人ほどいて、待機待ち状態だという。一方、東北地方では3年前に、仙台市にホームレスや無収入や低収入の方に向けての『無料低額宿泊所』がすでに開所している。

 「光と風 無料低額宿泊所」の利用にあたっては、(1)住居の確保が困難な低所得者及び生活困窮者(2)野宿生活者と判断される者(3)福祉事務所等から要請があった者(4)その他、緊急な保護を要する者となっており、山形県はこの事業に関してのガイドラインを作成している。

 家賃は米沢市が生活保護世帯にうたっている家賃と同一レベルとなっている。

 基本的に半年間という入居制限付きだが、必要に応じて延長可能。入居保証人、権利金なしに入れるため、入居へのハードルが低い。

 よもぎの会が運営するこの 「光と風 無料低額宿泊所」の特徴として、入所者への相談や就労指導等を行い、生活困難者に寄り添いながら支援を行うことがあげられる。同会での活動への参加を含め、自立を目指した職業訓練や技術指導、職業紹介を行っていく予定だ。同会はこれまでの実績から広範なサポート体制ができるとする。

 「光と風 無料低額宿泊所」は、米沢市矢来にある建物を利用している。1階は食堂、風呂、談話室、管理人室があり、2階には宿泊部屋が8つあり、最大10人が宿泊可能。5月27日の開所時は2名の利用者でスタートした。現在は自炊だが、人数が増えた時点で栄養バランスを考慮したの「菜菜」より弁当の宅配も予定している。

 丸山施設長は、「米沢市の生活保護世帯は、県内平均の倍となっていることから、認知度が上がれば、この施設を利用したいという問い合せも増えるのではないか」と話す。今後、公共施設、保護司会、社会福祉協議会などを通じてPRして行くことにしている。「どんな人も自らが仕事を通して社会の一翼を担い、働いた給料で人として当たり前の生活を送るという基本的人権に関わる手助けをしたい」と語っている。

 問合せは、NPO法人自然農食やまがたよもぎの会 TEL 070・5621・2924(丸山)まで。