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9月15日

中小機構土地取得、産業部長「不安ある」

 

 米沢市が(独)中小企業基盤整備機構の所有する八幡原中核工業団地、米沢オフィス・アルカディアの未分譲地を取得しようとしている件で、9日に開かれた米沢市9月定例会の中村圭介議員の一般質問で、安部三十郎市長は企業立地へ自信を示した。ただ、夛田美佐雄産業部長は「土地取得金額に対して不安はある」と述べるなど、今後市が取得、販売する場合、年間維持費に加えて、固定資産税の減収などが付いてくることから、賛否両論を呼びそうだ。

 両地域の販売を行う同機構が平成26年3月31日を持って産業用地の提供業務を終了するのに伴い、市は9月定例会で土地取得費5億6000万円を計上。土地取得後、従来以上の助成金を使った企業立地の促進を図っていく予定だ。

 中村議員からは「市が販売した場合、どのように改善されるのか」と言った問いに、安部三十郎市長は「市の方針に沿った業種の誘致や土地の分譲方法、料金設定の決定が行える」と答弁。反対に取得した場合「年間土地の固定資産税3000万円の減収と維持管理費500万円が発生する」と述べた。

 対して、民間事業者が取得した場合は3500万円の負担がなくなる一方で、市の産業政策に基づいた整備ができず、既存企業の資産価値、周囲の土地に大きな影響する可能性がある。

 今後も買い手が付かなかった場合には、国に現物納付され、国有地として非課税扱いになるの加え、新たに造成が困難になることを示唆。安部市長は「山形大学工学部の存在が大きい。今月稼働する有機エレクトロニクスイノベーションセンターなど、世界各国から著名な研究者をはじめ、多くの技術者が集まる研究開発拠点となっているのが最大の特徴」と、企業立地への自信を示した。

 市では、新たに向こう5年間を企業誘致重点期間と定め、これまで以上に誘致活動を展開。具体的には価格競争に負けない付加価値の高いものづくりを目指す地盤として、研究開発拠点の整備を目指し、勉強会を開く予定という。

 優遇措置としては、新たな企業への販売価格との差益を利用した助成金制度を導入し、企業の初期投資を軽減や立地しやすい環境を整えるほか、賃貸借の導入を検討している。八幡原工業団地では、土地分譲価格の内最大で50%、アルカディアについても現行より大幅に補助を拡充する計画だ。

 また、これまでになかった賃貸借制度の導入で、企業の早期立地の促進、民間不動産業者への仲介業務を委託することも検討。今後は市職員に加え、民間活力を活かした専門人材の雇用で組織力強化を図り、雇用拡大を見込めるコールセンターなどの誘致、既存企業の従業員に対して利便設備なども重点に置かれている。

 一方、これまで販売できなかった問題に対して、中村議員からは両地区の適正価格に関して質問が行われたが、夛田産業部長は「(同機構が提示した5億6000万円という金額で取得するのに)不安はあるが、提示金額は正しいと認識している」と明らかにするなど、市当局内でも厳しさが浮き彫りとなっている。

 同機構は平成16年に、中小企業向けの融資、救済を目的として、設立された独立行政法人で、北海道から九州まで全国各地で産業用地を販売を行う。市内では八幡原工業団地に383・6㌶(分譲対象用地170・3㌶)、アルカディアに33・3㌶(分譲対象用地25・9㌶)を保有、来年3月31日までに土地の売却が進められている。