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山形大・伊藤電子工業(株)共同研究がA-STEP採択

軽量・透明な有機薄膜太陽電池  窓材・カーポートへ応用

 山形大学は、21日、同大と山形県寒河江市にある伊藤電子工業(株)が有機薄膜技術を用いた太陽電池に関する共同研究「スマート発電ウィンドウを指向した大面積塗布型有機薄膜太陽電池の開発」が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適支援プログラム(A-STEP)に採択されたと発表した。研究責任者は、山形大学大学院理工学研究科の笹部久宏助教で、平成27年2月1日〜平成28年1月31日の1年間に800万円の支援を受ける。
yamadai 山形大学は可視光長波長から近赤外領域に強い吸収を持つ有機太陽電池用材料、スクアリリアム誘電体(SQ)の合成技術とそれを用いた有機薄膜太陽電池に関するデバイス作製技術があることから、伊藤電子工業(株)と2011年から共同研究を進めてきた。SQを用いた太陽電池は、可視光の中間領域の光は通過するという性質があるため、これまでになかった透明性がある太陽電池ができた。共同研究では、材料技術と大面積塗布成膜技術を中心に開発を行い、住宅の窓やカーポート、商業施設や公共施設の窓材などで透明性が要求される場所で利用できる発電パネルを開発し、窓や透明建材に発電機能を持たせた「スマート発電ウィンドウ」の実現を目指している。
 有機薄膜太陽電池は重量が1〜4㎏/㎡と、現在広く使用されているシリコンや化合物を用いた太陽電池と比較して、1/3〜1/16と軽量設置が可能なほか、価格もワットあたり100円以下で、同様にシリコンや化合物の1/2程度、ほかに割れる心配が無く安全であることや、成膜の製作は150℃以下であるためプラスチックの利用が可能となることで曲面の形状も可能などの特徴がある。
 試作品では、太陽電池の変換効率が6%程度、ガラス基板層は1ミリメートルで薄青色に透き通って見える。寿命は今の所、研究段階のレベルにあるとのこと。実際にこの太陽電池を用いたスマートハウスがこの夏を目処に完成する。
 また時任静士卓越研究教授は、有機エレクトロニクスの最新研究開発成果を、1月28日〜1月30日に東京ビッグサイトで開催される「プリンタブルエレクトロニクス2015」に出展することを述べ、同研究室の研究成果として、「世界初の超薄型・大面積印刷有機集積回路」、「健康リスク低減を目指したフィルム型バイオセンサ」、「印刷有機集積回路のコア技術となる高性能インク」、「曲面への電子回路印刷装置」を展示する。
 特に「印刷有機集積回路のコア技術となる高性能インク」の研究では、高精細インクジェット装置に適用できる低温焼結型値(100℃以下)銀ナノ粒子インクや開発した高い移動度(〜3㌢平方㍍/V)と安定性のあるP型N型半導体インクなどが参加者の注目を集めそうだ。
 ほかには有機エレクトロニクスイノベーションセンターの「塗布型有機EL+プリンタブル封止技術」、「無線給電と加速度センサーを組み合わせた新規調色有機パネル」、「フレキシブルマルチフォトンエミッション型有機ELディスプレイ」といったものが展示される。

(2015年1月21日17:00配信)