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天然油脂由来の殺菌性パウダー

                 山形大学 野々村美宗准教授らが発見

 国立大学法人山形大学(小山清人学長)の野々村美宗(よしむね)准教授らは、花王株式会社と共同で、マカデミアナッツ油から得られる脂肪酸「パルミトレイン酸」のカルシウム塩が、黄色ブドウ球菌やアクネ菌をより効率よく死滅させる選択殺菌性を示すことを発見した。これらの菌は肌荒れやニキビの原因となることから、新しい天然由来の殺菌性パウダーとして、身体洗浄料やスキンケア化粧料への応用が期待されている。

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パルミトレイン酸カルシウム塩の外観、電子顕微鏡写真及び分子構造

 パルミトレイン酸カルシウム塩は、分子内に不飽和部位を一つ持つ脂肪酸とカルシウムが2:1の割合で結合した結晶性のさらさらした粉末で、電子顕微鏡で観察すると数μmの板状粉末で、水を弾く撥水性や摩擦抵抗を小さくする潤滑性があり、化粧効果として保持される時間が長いことや、皮膚に塗布する時の感触を高めるとされる。

グラフ1
パルミトレイン酸カルシウム塩の殺菌効果

 研究によれば、パルミトレイン酸カルシウム塩の粉末を水に分散し、黄色ブドウ球菌、アクネ菌、表皮ブドウ球菌とともに寒天ゲル表面で培養したところ、菌数が急激に減少し、黄色ブドウ球菌は3時間後、アクネ菌は24時間後には検出限界以下となった。
 一方で、表皮ブドウ球菌は減少するものの、24時間後にも多数残っていた。表皮ブドウ球菌は非病原性で皮膚に常在し、外部からの病原体の侵入を防ぐバリヤーの役割を担っていると言われ、この菌に対しての殺菌性が低いことは、皮膚の状態を健康に保つ上で望ましいこととされる。
 この研究成果は、2014年9月13日に香港で開催された第10回中国化粧品学術検討会で、化粧品業界の進歩に貢献するものと認められ、三等賞を受賞した。また、日本油化学会発行のJournal of Science 3月号に掲載される予定。
 このニュースに関する問合せは、
 国立大学法人山形大学大学院理工学研究科バイオ化学工学専攻 野々村美宗准教授まで。TEL 0238-26-3164 Fax 0238-26-3414 e-mail:nonoy@yz.yamagata-u.ac.jp  

(2015年2月10日16:20配信)