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おいたま女性クラブ「災害とジェンダー」テーマに 



oitamajosei17 おいたま女性クラブ(成澤紀子会長)は、8月26日、置賜総合文化センターで8月例会を開催し、遠藤恵子・前米沢女子短期大学学長を講師に招き、「災害とジェンダー」をテーマに懇談会を開催しました。(写真=遠藤恵子氏)
 当日は会員や大学生らを含め、男女19人が参加しました。同会は男性も女性も伸びやかに生きられる社会を目指そうと様々な職業を持つ男女が集まり、学びと実践を行っています。毎月1回の例会のほか、6月の男女共同参画月間や、11月のDV月間では他団体と共に啓蒙活動に取り組んでいます。

 はじめに、前米沢女子短期大学学長で、前(公財)せんだい男女共同参画財団理事長の遠藤恵子氏が「災害とジェンダー」をテーマに講演を行いました。
 その中で遠藤氏は、阪神淡路大震災や東日本大震災では、女性の死者・行方不明者が男性よりも1,000人多かったという数字をあげて、高齢者や子供を抱えた女性は逃げ遅れるケースが多かったと指摘しました。また避難所の運営のほとんどが男性中心で、水、毛布、食料といった物資は確保されたものの、女性用の物資(生理用品・下着)、赤ちゃんのミルク、消毒用品などの備蓄も支援も極めて不足だったと述べました。これは男性視点での取り組みの結果であり、被災地の支援や避難所の運営には、女性のリーダーを参加させる重要性を述べました。
okitamjosei17 さらに避難所での性犯罪、陰湿なセクハラの被害にあった女性があったことや、避難所では女性が炊き出しや食事の支度のために、仕事に行きにくいなどの課題も浮き彫りになリました。避難所から仮設住宅等に移った後、DV(ドメスティッックバイオレンス)が増加したことは、夫が避難でのストレスを妻に向けた結果です。 
 一方、仮設住宅等での一人暮らしの高齢者の孤独死はほとんどが男性で、それは「男は泣き言を言ってはいけないという幼少期からの教育のため、人に助けを求めようとしない」という背景があるとし、男性の意識改革が求められる事例を指摘しました。

 さらに、遠藤氏は性別に関わらず、全ての個人の人権が保障される社会づくりが重要だとして、ジェンダー問題解決は「21世紀我が国の最重要課題」と述べ、その理由として、20世紀後半までは重厚長大型産業(鉄鋼・造船・重化学工業・土木建設・機械工業等中心)で、人口増加の社会では、男性主導・男性中心のシステムでも何とかうまく運営できたものの、20世紀末頃から軽薄短小型の社会(運輸・通信・情報・サービス産業中心)に転換し、組織の柔軟性や独創性、多様性が重要となり、男性中心では運営が困難となったとし、企業の中に女性が入ってもらったほうが効率的な運営が可能になる状況が生まれてきているが、実態としてはまだ意識が追いついていないという課題も述べました。
 また女性が社会参加すると出生率が上がるというデータがあり、それは経済的な理由だとし、子供一人を国公立大学まで卒業させるためには、衣食住を含めて2、000万円かかり、女性の収入がそれを支える大事な要素になっている。
 大災害の際には、ジェンダー問題が多発、深刻化し、日頃から男女共同参画・男女平等意識を身につけて実践していなければ、大災害への対応は難しいと述べました。男女共同参画の現状では、日本は男女格差が非常に大きく、ジェンダーギャップ指数は世界145か国中101位と、低い状況にあることを指摘しました。
 高齢化社会が進む中で、男性の寿命は女性よりも短かいことから、男性が先に死ぬと考えたら間違いとし、5年前に妻の介護をしている夫の率は25%だったものが、今は30%を超えているとし、一人で頑張って行き詰まって無理心中などの介護殺人という悲劇が発生していることや、男性の未婚率が上昇する中で、親を介護する男性も増えていることから、ホームヘルパーや介護施設など、人に頼っていいという男性の意識改革を唱えました。
 続いて、懇談会に移りました。

(2017年8月29日17:45配信)