平成29年11月28日に開催された川西町議会臨時会で、これまで町が示してきた「山形おきたま農業協同組合本店南側隣接地」を新庁舎の建設地に設定する「川西町役場の位置を定める条例」を全議員14人(欠員1名)のうち、賛成10名、反対3名、退席1名の賛成多数で可決し、これを受けて、同日、同町では「川西町新庁舎整備基本計画」を策定しました。
基本計画では、役場庁舎のあり方や必要な機能の検討を踏まえ、町が目指す新庁舎整備の基本的な考え方を示し、今後の設計段階においてより細かな検討を行う際の指針となります。
基本理念には、「町民の安全・安心を守り協働のまちづくりを推進する拠点」をあげ、基本方針として、①町民の暮らしを守る庁舎②町民にひらかれた利用しやすい庁舎③ひとと環境にやさしい庁舎④効率的で機能性・経済性の高い庁舎、としてそれぞれ必要とされる基本機能をのべています。(写真上=川西町新庁舎整備基本計画などを説明する「町報かわにしNo.1163」平成29年12月15日号)
さらに同町は、12月6日の町議会12月定例会で基本計画策定後に実施する事業に係る補正予算を上程し、同日に可決されました。この中では、新庁舎の基本設計・実施設計業務や、設計業者をプロポーザル方式(技術提案を審査し、評価の最も高い設計者を選定する方法)で選定するための委員会の設置、建設地の不動産鑑定、建設地取得・造成に必要な測量・設計業務などを盛り込んでいます。
可決された補正予算は、①新庁舎に係る基本設計・実施設計9千万円(平成29年〜30年度)②建設地の測量・造成設計1,550万円(平成29年〜30年度)③設計業者選定プロポーザル審査会の設置・開催4万3千円(平成29年度)④基本設計での専門的知見を持った事業者からの支援・助言126万2千円(平成29年度)⑤建設地の不動産鑑定32万4千円(平成29年度)などです。
基本計画での新庁舎概要は、延床面積が4,500平方メートル、3階建、鉄筋コンクリート造(RC造)、耐震構造として、駐車台数は260台を予定しています。また概算事業費は、本体工事が22億5千万円、その他13億63百万円の計36億13百万円となっています。財源は、国の期限付き支援事業である「市町村役場機能緊急保全事業」を活用します。スケジュールでは、基本設計・実地設計を平成30年度、本体・外構工事を平成30年度〜平成32年度で行い、平成33年度に解体工事に入ります。新庁舎の基本設計・実施設計業務と建設地の測量・設計業務は、国の支援期間である平成32年度まで着実に整備を進めるため、平成29年度から平成30年度の複数年度にわたって実施します。
これらを受けて、2月10日午前10時から、「川西町新庁舎整備基本計画・実施設計業務公募型プロポーザル公開プレゼンテーション」が同町農村環境改善センターで行われ、4者の提案者が発表を行いました。
提案者は、山形県内に本店を有する事業者から募集し、書類審査の一次審査が通った4者を指名しました。また審査委員は川西町長が指名した4人(川西町の総務、財政、建設などの課長クラス)、学識経験者2人(建築を専門とする大学教授など)の計6名です。またこの日の午前中は、町民約30人が傍聴しました。
プレゼンテーションでは、提案者1者についてプレゼンテーション20分、審査委員会によるヒヤリング20分が行われ、業務実施方針(理解度及び取組意欲、担当チームの特長)や町から与えられた特定テーマに対する技術提案を行いました。
特定テーマは、①町民の暮らしを守るための防災機能に対する計画②町民の利便性向上と執務空間の効率化に対する計画③建設地の自然・気象条件に対応した計画④建設コスト・管理コストに対する計画、の4項目です。(写真上=司会者(右)と6名の審査委員)
提案者からは、「未来を見据えた長寿命庁舎」や「新庁舎と旧庁舎との間の桜回廊」などのユニークな内容が提案されました。また委員からは、「新庁舎内の動線で大事なことは何か」、「川西らしさをどう打ち出すか」などの質問が出されました。
審査委員によって審査結果が点数化されて、最優秀者や優秀者が2月13日に決定し、午後1時からの議会全員協議会で報告され、技術提案書が配布される予定となっています。今後、具体的な設計内容は、選ばれた設計業者と協議しながら決めていきます。(写真上=傍聴する町民)
(2018年2月10日16:10配信)