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竹田 歴史講座

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青年劇場、哲学者・舩山信一(川西町出身)登場の芝居
 


tosaka-1 秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場(東京都新宿2丁目)は、今年の定例公演第一弾として、5月13日(金)から5月22日(日)まで、青年劇場第127回公演「眞理の勇氣ー戸坂潤と唯物論研究会」を、新宿・タカシマヤタイムズスクエア南館7階にある紀伊國屋サザンシアターで上演する。劇団チョコレートケーキの古川健氏が書き下ろし、文学座の鵜山仁氏が演出を担当した。
 芝居は唯物論研究会を立ち上げた哲学者・戸坂潤(とさかじゅん、1900〜1945)の人生を描いたもので、戸坂潤と共に唯物論研究会を牽引した山形県川西町出身の哲学者・舩山信一(立命館大学名誉教授、1907〜1992)らも登場する。
 明治33年、東京市に生まれた戸坂潤は、京都帝国大学文学部哲学科を卒業、昭和7年、「野蛮で反知性的なファシズムに対し、我々はあくまでも知性を武器にして闘い抜く」と、岡邦雄、三枝博音と共に唯物論研究会を立ち上げ、機関誌「唯物論研究」を発行し、「日本イデオロギー論」などで、日本ファッシズムへの根源的批判を行った。しかし、時代は言論統制から翼賛政治に流れ、日本は日中、太平洋戦争へと突き進んで行った。その中で、唯物論研究会は科学的精神で現実を見、克服すべき問題を提起し続けたが、危険思想を広める恐れがあるとみなされ、特高警察の監視が始まり、集会は禁止、戸坂潤の執筆活動も禁止となる。それでも戸坂潤の楽天性が奪われることはなかった。戸坂潤は昭和19年入獄され、日本の敗戦の数日前の昭和20年8月9日、獄死した。

funayama 芝居に登場する舩山信一は、明治40年、山形県東置賜郡吉島村(現在の川西町吉田)に、農業を営む父、舩山忠次郎、母キナの次男として生まれた。(左に肖像画、米沢日報デジタル所蔵)
 大正13年、米沢中学校卒業、昭和2年、山形高等学校から京都帝国大学文学部哲学科に進んだ。戸坂潤の7年後輩にあたる。昭和7年11月、戸板潤の勧誘で「唯物論研究会」の設立委員となり、昭和9年5月、治安維持法違反で検挙、起訴され、懲役2年執行猶予5年の判決を受けている。
 昭和12年、大日本水産会に勤務して雑誌記者となり、昭和13年、三木清らとともに「昭和研究会」文化部に参加して東亜協同体論を打ち出す。戦後の昭和30年4月、立命館大学文学部哲学専攻教授となり、昭和33年10月、同大人文科学研究所長、昭和51年、立命館大学名誉教授となった。西田幾多郎を始めとする明治以降の日本哲学思想史の研究家の一人で、戦前、戦中、戦後の思想界を吹き荒れた嵐の中で、唯物論の立場を確立し、自分の思想的原点を決して忘れず生き抜いた日本におけるフォイエルバッハ(ドイツ人でヘーゲル学派左派の代表的唯物論者、宗教批評者。1804〜72)研究の第一人者である。「フォイエルバッハ全集」全18巻を翻訳し、昭和51年11月、日本翻訳文化賞を受賞した。平成6年3月16日、死去。享年86歳。

tosaka-1 眞理の勇氣ー戸坂潤と唯物論研究会製作ニュース(2022年4月20日発行)には、「今ウクライナで起きていることをどうとらえるか。あの戦時中に日本ファシズムを批判し続けた戸坂潤であれば、何を言うのだろうか。それを考え続けたい。これは演出の鵜山仁さんの言葉であり、また稽古場全体の総意になっています。」と書かれてある。(写真提供=青年劇場)
 今年2月24日、ウクライナにロシアが軍事侵攻した。ウクライナの国土、多くの人が国外に逃れ、あるいは爆弾によって死亡するなど、人々の生活や幸せが破壊された。一方日本も、ウクライナでの戦いを前に、憲法9条の有り様が問われている。一方的な軍事侵攻という現実を前に、国を守るとはどうゆう事か、国防予算GDP比2%へのアップの必要性、核兵器の共有など、降って湧いたような議論が出始めている。まさに戦後70年あまり、平和国家として歩んできた日本の立ち位置が揺らぐ状況である。これは戦前の日本が日中戦争から太平洋戦争に至る時代に、戸坂潤らの唯物論研究会の会員らが直面した状況と重なる。
tosaka-2 古川健氏は、これまで戦争に向かう時代を数々の戯曲で描いてきた。戸坂潤や舩山信一など、その仲間たちがあの時代に何を考え、何を訴え、どのように生きたか、今を生きる私たちはこの芝居から多くのことを学ぶだろう。そしてこの芝居を通して、川西町出身の舩山信一に改めて焦点が当てられることから、その人柄や業績が見直される一助にもなる。
(写真提供=青年劇場)
 キャストは、戸坂潤役に清原達之さん、岡邦雄に島本真治さん、三枝博音に大木章さん、また長谷川如是閑に葛西和雄さん、舩山信一役に奥原義之さんなど、幅広い年代で作り上げている。
 上演は5月13日(金)から5月22日(日)までで5月16日は休演日。当日券は、一般5,500円  U30(30歳以下)3,400円。(料金は税込)全席指定。障害者割引(4,200円)、団体割引あり。
 問い合わせ TEL 03-3352-7200