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故 新野良子さん、遺言で米沢市社会福祉協議会に高額寄付

1 令和5年12月20日、社会福祉法人米沢市社会福祉協議会(手塚宮雄会長、米沢市すこやかセンター内)で、遺言による寄附贈呈式が行われた。
(写真右から手塚宮雄氏、高田伯泰氏、堤全隆氏、猪口春生氏)
 寄附を行ったのは、故新野良子さん(令和3年11月7日逝去 享年70歳、遺言証書作成時の住所:米沢市御廟1丁目)で、寄附の内容は、現金で4,908万2083円の贈呈。当日は親族の高田伯泰さん、堤全隆さん、また遺言書作成に関わった司法書士の猪口春生さんが同席した。

2 新野さんは、昭和26年生まれで、米沢商業高校から福島総合衛生学院を卒業して看護師となり、東京の慶應義塾病院でハンセン氏病を深く学び、その後、米沢市立病院に転職した。
(写真左=米沢市立病院勤務時代の新野良子さん、左から2人目)
 看護師として勤務中の平成16年頃に身体機能が低下する脊髄小脳変性症という病気を発症し、症状が進行したことから平成21年に早期退職して治療に当たった。退職後は、車椅子でコンサートに赴いたり、全国に旅行に出かけたりして人生を楽しんでいたという。また生前からユニセフ募金、アフリカユニセフ、国境なき医師団などに、定期的に寄附を行うなどしていた。
 平成26年11月に、従弟の高田さんと堤さんの紹介で、猪口さんが新野さんと面談し、「自分は一人っ子で相続人がいない。脊髄小脳変性症のため、死期が迫っている。自分の財産を今まで世話になった方々、米沢市民のために有効に使ってもらいたい」との相談を受け、猪口さんに財産の調査と整理を委任した。猪口さんは、新野さんの気持ちを確実に実現する方法として、遺言書作成と、その遺贈先として「米沢市社会福祉協議会」が一番確実であることを説明し、納得してもらった。
 平成27年3月に、公証人による「公正証書遺言」を作成し、遺言執行人として高田さん、堤さんを指定した。遺言書には、菩提寺への永代供養料、祭祀の主宰者、埋葬方法、建物の解体と土地の処分、お別れ会開催の依頼などが記載された。
 その後、平成29年5月、米沢家庭裁判所に「補助開始申立」を行い、司法書士の山村靖子さんが選任されて財産を引き継いだ。病状が進み、2年半、米沢市にある国立療養所に入院、令和3年11月7日に死去した。米沢市御廟1丁目の自宅は8年ほど空き家になっていたが、新野さんの死去後に遺言に基づき解体し、土地は売却された。

 贈呈式の中で、手塚宮雄会長は、「市民の幸せを願い、他者を想う崇高な気持ちが発現されたものと思います。寄附の相手方として社会福祉協議会を選んでいただきありがたく思います。市民の福祉向上に役立つ事業をただいま検討中です。深く感謝し謹んでご冥福をお祈り申し上げます」と挨拶した。
3 社会福祉協議会では、新野さんの意思を尊重して、市民の社会福祉推進事業に活用するため、今後、住民ニーズの精査を行いながら具体的な使途を検討中だという。事業実施までは、同会積立資産(社会福祉推進事業費積立金)として管理する。
 猪口さんは、司法書士の立場から「高齢者の方で、近くに相続人の子供さんがいる場合は心配ありませんが、いない方は貴重な財産をどのように使うのが良いかを早めに考えておいてください。自分の死後、その残りの遺産の行方を確実に指定しておく方法が遺言です。」と述べ、遺言の積極的な活用を勧めている。
(写真右=遺言公正証書を示す猪口春生氏)