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米沢市指定有形文化財に彫刻1点、工芸品1点を追加

 米沢市教育委員会は、米沢市文化財保護審議会(白石信也会長)の答申を受けて、4月16日付で彫刻1点、工芸品1点の計2点を市指定文化財指定に決定したと発表した。
1 今回指定を受けたのは、彫刻では、龍泉寺(米沢市大町四丁目)所蔵の「銅造阿弥陀三尊像(どうぞうあみださんぞんぞう)。三躯(さんく)ともに立像で、中尊が通肩(つうけん)とし、両脇侍が八角筒形冠(はっかくつつがたかん)を付けた善光寺式阿弥陀三尊像脇侍像。大正6年の米沢大火で類焼、中尊は体正面下方や体背面が後補されたが、頭部や体全体の輪郭は当初の形を残し、脇侍像も体部そのものは当初の形態を残し、三尊そろった鎌倉時代の善光寺式阿弥陀三尊像としての価値は高い。
 伝来に関わる史料は無いが、この地域の阿弥陀信仰の広がりを示すものと見られ、鎌倉時代の彫刻遺品としての価値とともに歴史的遺品としても価値を有する。

2 工芸品では、上杉神社(米沢市丸の内一丁目)が所蔵する「毛氈鞍覆(もうせんくらおおい) 一具」で、上杉謙信所用と伝えられる馬具。上杉家に伝来し、昭和24年、上杉神社に寄進された。現在は同社の稽照殿に収蔵されている。
 謙信は天文19年、室町幕府13代将軍足利義輝から白傘袋と毛氈鞍覆の使用を許されたという史実が、国宝「上杉家文書」によって証明され、国宝「上杉本洛中洛外図屏風」に、毛氈鞍覆をつけた馬が6頭描かれている。文字や絵画では知る事ができるが、実物が存在する価値は計り知れない。類例はほかに確認されておらず、現状唯一無二の遺品であり、その資料が米沢市に伝来している意義は大きい。
 今回の指定により、米沢市内にある指定・登録文化財(国・県・市)総数は158件となり、このうち、市指定文化財は63件となる。
「銅造阿弥陀三尊像」は、龍泉寺で参拝可(要事前連絡)、「毛氈鞍覆」は、上杉神社稽照殿で、9月12日から10月7日まで展示される(要拝観料)。

(上記2点の写真は、米沢市教育委員会提供)