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第19回秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞、藤倉裕さん(米沢市)

 米沢市は、同市にアトリエを営み関わりが深かった写真家秋山庄太郎氏(1920~2003)の功績を称え、写真文化の振興に寄与することを目的に、平成19年「秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞」を創設した。
 秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞実行委員会(実行委員長 近藤洋介米沢市長)は、9月29日、第19回を数える同写真文化賞の入賞・入選作品について発表した。

 応募資格は、国内に在住する写真愛好家で、令和8年6月1日から8月7日までに応募のあった中から、花、自然・生き物、自由(人物・スナップ等)の3部門で募集をおこなった。応募状況は、最年少14歳(男性)から最高齢88歳(女性)までの応募人数278人(前回253人)、応募点数952点(前回859点)、応募枚1,037枚(前回957枚)と、前回から増加した。
 審査結果は、文化賞(花部門)1点、部門賞(自然・生き物部門1点、自由部門1点)2点、米沢賞(自由部門)1点、ユース賞(花部門)1点の計5点で、他に入選として花部門、自然・生き物部門、自由部門から各10点の合計35点が選ばれた。

1 文化賞には、花部門で藤倉裕さん(米沢市在住)の作品「荘厳と奥ゆかし」が受賞した。
 背景の黒と青色のつつじの全面に浮き出ているゆりの花は、右下から左上に斜めに対角線上に現れ、成長盛りの躍動感が感じられる。緑色の茎からは4つの白い花を咲かせ、色あいのコントラストは絶妙、全体的な写真のぼかし具合から幻想的な美しさを放っている。








2 部門賞(自然・生き物部門)受賞の高橋勝美さん(福島市在住)の作品「残照の田園」。
 稲が植えられたばかりの時期だろうか、金色と真っ赤に輝く田んぼの水面に、白鳥のような姿の一羽の鳥が歩いている。歩いている証拠は、その足を中心に波紋が美しく広がっている。鳥の姿は水面に対称的に影として真っ黒に反射している。稲の植えられた線が綺麗な直線ではなく、多少のカーブがあるところが写真を見る者に農村風景とゆとりを感じさせる。

3 部門賞(自由)受賞の馬場正幸さん(福島市在住)の作品「水没林の夕べ」。
 水面に浮かぶ青々とした樹木がライトアップされ、水面に反射している。空には月と星空が照り、雲が流れる。そして、その姿をカメラやスマホで撮影しようとする人々がまた写真の中の風景として溶け込んでいる。日中の水没林とは、また違った味わいのある写真である。

4 米沢賞には、自由部門の日下賢一さん(仙台市在住)の「破邪の白銀一閃」。
 タイトルを見たただけでは、どのような写真なのか想像も付かなかったが、写真を見てなるほどと思った。邪悪を払いのける仁王像のような顔つきと姿は実に迫力がある。その手には邪悪な者を縛るためだろうか、縄が握られている。写真の右には、上部から白滝が勢いよく流れ落ちている。写真は合成されたものだろうか、現実にこのような場所が存在するのかは不明であるが、余計なものを全て排除したモノクロ写真の持つ圧倒的な描写力を感じる作品である。




5 ユース賞には、花部門から中学3年生の齋藤泰誠さん(仙台市在住)の「あちこちキョロキョロ」が選ばれた。真っ青な空に雲が写真いっぱいに広がる。夏空の下、画面の下部にはたくさんのひまわりが花を咲かせている。空の大きさに比べて、下に配置されたひまわりの大きさが小さく、写真の中での比率のアンバランスが、逆にメルヘンチックな世界を醸し出し、中学3年生という若々しい感性が溢れている作品である。

 授賞式は令和8年10月24日(土)14:00からよねざわ市民ギャラリーで行われる。また入賞作品展は、10月24日(土)〜11月1日(日)まで、同ギャラリーで開催される。
(写真提供=米沢市教育委員会)※写真のコメントは、米沢日報デジタル 成澤礼夫による。