newtitle

置賜民俗学会「講」をテーマに講演とシンポジウム


okitamaminzoku17 置賜民俗学会(梅津幸保会長)は、7月1日、米沢市の伝国の杜で平成29年度同学会研究集会を開催した。今年は、「『講』の現在」をテーマに取り上げた。
 かつて「講」は、信仰や生業、年代を同じくする人々の集まりとして、また相互扶助の組織として広く行われていたが、時代の移り変わりの中でその意味が失われ、幕を閉じたものも少なくない。しかし、置賜地方には、今もなお様々な形で講が残っていて、当日の研究集会では、講がどのように変化してきたか、今、どのような姿で残っているのかなどに焦点を当てて、講演やシンポジウム、パネルディスカッションが行われた。
 はじめに、(公財)農村文化研究所の研究員・学芸員である阿部宇洋氏が「講の発祥と伝承の様相」として基調講演を行い、その中で、阿部氏は「講」とは、仏典を講義する法会、仏・菩薩・祖師などの徳を賛嘆する法会、神仏を祭り、参詣する同業者で組織する団体、一種の金融組合、または相互扶助組織などが日本では考えられてきたが、現在の「講」は、社会的な団体の増加、目的の増加に伴い、非常に広義になっていると述べた。
 また 「講」の分類には、社会学的分類、民俗学的分類(鈴木栄太郎、S15)を行うものや、宗教的講、経済的講、社会的といった機能的な分類を行う場合もあることを紹介した。
  講に類似した集団として、教会、結社、同好会、同人、サークル、クラブ活動など、講を呼称していないものの「講的」性格を備えた集団は案外多いと述べ、これまで知られている400近い講の名称をリストアップした。
 阿部氏は置賜の講を考えるためには、庚申塔や、百万遍供養の数珠などの民具の調査、古文書や現存する講の調査が必要だとした。また古文書などがインターネットオークションで販売されているという現状を述べた。
 続いて、円陣に座った女性たちが一本の長い大きな数珠を回しながら、お念仏を唱えるという「お念仏講」の実演が行われ参加者の関心を呼んだ。この講は、米沢市万世桑山の女性15人ほどの講中集団で、普門寺本堂に春彼岸に集まり、お念仏を30分ほど唱え、お茶やジュース、菓子などで直会を行っている。歴史的には、戦後に始まったと言われ、普門寺が保管する道具箱には昭和41年調度と書かれている。
 シンポジウムでは、白鷹町、南陽市、川西町、米沢市の講について、パネリストが紹介を行った。

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得




(2017年7月3日19:30配信)