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置賜地域の障がい者就労と支援を考えるセミナー


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 平成30年4月より、民間企業の障害者雇用率が2.2%に引き上げになり、障がい者雇用の促進が期待されています。障がい者の一般企業への就労促進と、働き続けるために必要な支援について考える「第18回地域生活支援セミナー in おきたま」が9月14日、長井市のタスパークホテルで開催されました。
 主催したのは、置賜地域障がい者就労活動活性化協議会(事務局:置賜総合支庁地域保健福祉課)、山形労働局、置賜障害者就労・生活支援センターです。当日は障がい者就労支援関係事業所、行政機関、一般企業、障がいのある方など、約100人が参加しました。
 基調講演では、宮城県栗原市の株式会社大場製作所代表取締役、NPO栗原市障害者就労支援センター 理事長の大場俊孝氏が、「障がい者の就労活動の実践報告」〜地域のネットワークと職場定着について〜と題して講演を行いました。
 株式会社大場製作所は、自動車および建設機械のワイヤーハーネス等を製造していますが、大場社長は「障がいがあっても出来る仕事はたくさんある。それを提供するのが企業の社会的責任」との考えから、長年にわたり精神障がい者(特に統合失調症)を多く雇用してきました。 
 大場製作所では、現在、社員数が32名のうち、障がい者(統合失調症、うつ病、身体)を3名雇用しているほか、障がい者の職場実習は常時、同じ工場内にある協力事業所NPOサン・エー(就労継続A型地事業所)では、職員3名、障がい者13名(統合失調症4名、発達障害1名、不安神経症1名、知的6名、身体1名)を雇用しています。 工場内で働く1/3が障がい者でも7年間、顧客クレームがないという実績を上げています。
 NPOサン・エーは、3つのA(あわてず、あせらず、あきらめず)の頭文字から取っています。東日本大震災では見通しのない待機、電気・水道が使えず、ガソリンや食品購入が難しい状態が続く中で、統合失調症の人が薬を飲まずに病状が悪化し、退職、入院を余儀なくされた例などが報告されました。
 また、栗原市内の20社を超える賛同者を集めてNPO栗原市障害者就労支援センターを設立して、10年間、地域全体で障がい者の就労活動を支えてきました。企業集団が運営するのは全国初で、現在、就労移行支援事業(10名定員)、就労継続B型事業(20名定員)などの事業に取り組んでいます。
 大場氏が精神障がい者と27年間関わって感じることは、障がい者のプライバシーや個人情報保護が前面に出て、送り出し機関から企業に、正しい障害特性が伝わらず、働く現場や会社内で「配慮事項」が曖昧になっているパターンが多いことをあげました。職場定着するには、障害特性を、企業担当者や働く現場にしっかりと正しく伝え、働く現場できちんとした理解・配慮ができるような企業への支援が必要だと述べました。
 また、精神障がい者は、年間を通して、揺れたり、調子を崩すことが多いことがあっても、いつでも相談できる環境や、本人を中心とした顔の見える支援会議、長期の休みは避け、短期間の休みにして短時間稼働で様子を見る方が復帰が早いなど、工夫で乗り越えられるとしました。
 さらに、仕事や環境に慣れると能力を発揮する人が多いと述べ、大場製作所では難易度の高い仕事を段階的にチャレンジさせ、習熟したら、そのポジションの仕事を任せて、定期的に仕事の正しい評価を伝えながら、その積み重ねで自信が持てるようになると、具体的に取り組み方法を紹介しました。また、同社で働く障がい者の事例紹介を行いました。(写真、名前の公表は本人了解済み)
 
 続いて、「障がい者」の就労を考えるをテーマに、パネルディスカッションが行われました。出席者は、株式会社大場製作所正社員 佐々木静幸氏、特定非営利活動法人With優代表 白石祥和(よしかず)氏、山形障害者職業センター主任障害者職業カウンセラー 鈴木秀一氏、およびコーディネーターに、置賜障害者就業・生活支援センター 就業・生活支援ワーカー 宇津木勲氏の4人です。
 佐々木氏は、26歳で統合失調症を発病して退職通院している中で、シンポジウムで大場製作所のことを知り、職親制度(精神障害者社会適応訓練)を活用して同社で訓練を開始し、1年後の2007年11月に正式雇用されました。訓練を始めてから今年で11年目となりますが、体調を壊して休んだことは一度もないとし、理解ある(職場)環境は、社長らの努力によって築き上げられた「伝統」だと述べました。

(2017年9月19日12:55配信)