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竹田 歴史講座

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上杉伯爵邸庭園に新登録品種「平洲椿」を植樹




 今年は米沢藩第9代藩主上杉鷹山が米沢に入部して250年となることから、米沢御堀端史蹟保存会(関原謙一会長)は、4月30日、鷹山の師細井平洲ゆかりの「平洲椿」を米沢市丸の内1丁目にある上杉伯爵邸庭園に記念植樹しました。
 鷹山の招きにより平洲が3度目の米沢来訪を行った寛政8年(1796)9月6日、鷹山は自ら米沢郊外の羽黒堂(米沢市関根)に出迎え、その際、平洲は近くの普門院で椿をお手植えしたと伝わります。
 平成30年、新潟大学元教授の石澤進博士とその教え子である山口邦彦氏の両研究者は、この椿が未登録種であることを解明し、増殖と論文提出を経て、日本ツバキ協会より品種名「平洲椿」、さらに「優秀古木椿第十号」として認定登録を受け、米沢市は「平洲椿」を米沢市のシンボルツリーにしました。

 式典では、関原謙一会長、上杉家第17代当主上杉邦憲氏、中川勝米沢市長らが挨拶を行いました。平洲椿保存推進会会長の山口邦彦氏(米沢市古志田町在住)が、「平洲椿」の新品種登録に至る経緯を紹介しました。
 植樹では、上杉邦憲ご夫妻や出席者らが高さ20センチほどの「平洲椿」の根元に土を被せ成長を願いました。植樹された「平洲椿」は、普門院の原木より挿し木によって増殖されたものです。
 山口邦彦氏によれば、この平洲椿は平洲が江戸から持ってきたものだろうと述べ、新潟原産のユキツバキを品種改良したものと考えられるとしています。当時、椿の品種改良が盛んだったということです。
 今回、命名された平洲椿の学名は、「カメリア・ルスチカーナ・ホンダ・ヘイシュウツバキ」(ラテン語)となります。
 この平洲椿は、上杉鷹山と細井平洲の師弟愛を示すものとして、歴史伝承の一助になると期待されています。

(2019年5月1日11:00配信)