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竹田 歴史講座

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小松豊年獅子踊り、獅子が燃え盛る火の輪を潜る




 山形県指定無形民俗文化財である小松豊年獅子踊りの大光院奉納公演が、8月16日、川西町の同院境内で行われました。
 この獅子踊りは、奈良時代から平安時代初期にかけて奈良の法相宗僧だった徳一上人(?〜843)が「法の過ち」(※1)により流され、日立、会津を経て、現在の川西町ダリヤ園の近くに小屋住まいをしていた時に、上人の郷愁を慰めるために村人たちが始めたと伝えられ、大光院は徳一上人の成道(じょうどう=悟りを開くこと)の跡として1200年の歴史を有しています。
 江戸時代、藩財政が厳しかった米沢藩では、この踊りは不作の年は許可されず、豊年の年しか踊れなかったため「豊年獅子踊り」と名付けられました。
 3匹の獅子は、一年間の農作業の仕草を織り交ぜながら、赤い色の花笠をつけた早乙女とともに境内を回りながら、笛の音が響く中で優雅な踊りを披露しました。クライマックスは、獅子が燃え盛る火の輪を潜るもので観客からは盛んに拍手がおくられました。
 当日は台風10号の影響で小雨まじりでしたが、町内7か所で踊りが行われ、午後7時からは町中央公民館前で披露されます。また8月27日には、諏訪神社奉納公演が行われ、町内5ヵ所で踊ります。

(※1)「法の過ち」とは、天台宗開祖の最澄との間で行われたの教学論争(「三一権実諍論」)で敗れたことを指すものと考えられます。
  
(2019年8月16日13:05配信)