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今年創立20周年を迎えた米沢おしょうしなロータリークラブ(神原祐哉《かんばらまさや》会長、会員30名)は、「未来につなごう人間と自然の豊かな共生」をテーマに、昨年より3ヶ年にわたり地球環境の向上に関わる事業に取り組んでいます。
同クラブはこの事業を「街なか里山プロジェクト」と名付け、「ビオトープ」と言われる方法で河川や池などの身の回りの水環境を植物、昆虫、魚類の再生可能な場所へ作り変える提案と実証実験を行うことにしました。
「ビオトープ」は、ヨーロッパ、特にドイツにある自然環境の考え方で、日本にもビオトープ学会がありその普及活動を行っています。ビオトープとして選んだ場所は同クラブが例会場所としているホテル隣接地にある西條天満公園(米沢市門東町)の池周辺です。
8月25日、同クラブ会員、この事業を後援する東北電力の社員、建設会社社員など約15人が西條天満公園に集合し作業を行いました。この場所は、江戸時代、米沢城の三の丸の堀に当たる地で、武士のみが通ることを許された武者道が傍を通るなど米沢の観光にとって貴重な歴史、文化的な遺産となっています。
はじめに、クラブ会員らは池の西側護岸の下刈りを行ったのち、土手に穴を掘り「あやめ」、「かきつばた」を一列に計40株植栽しました。この植栽により昆虫や鴨などの鳥類が暮らしやすい日陰ができ、あやめは毎年6月中旬には花を咲かせる予定です。
次に、ショベルカーを使い池の底の泥を取り除き、幅1.8m、奥行き2.7m、高さ1.0mの頑丈な木枠を池の中に埋め込み、生簀(いけす)を作りました。これにより池への流水量が少なくなり水位が下がっても、魚類はそこに逃げ込み生命を繋ぐことができます。木枠の埋め込みに少々苦労しましたが、夕方には作業が完了しました。
同クラブ会員の高橋正洋さんは、今後このビオトープの造成や管理には、地域の幼稚園や小学生、市民に参加してもらい、社会的な運動にしていきたいとしています。
同クラブでは、令和元年11月9日(日)に創立20周年記念式典及び、NHK山形の「やままる」に出演している気象予報士、福嶋アダム氏を招き地球の環境問題に関しての講演会を開催予定です。
(2019年8月26日20:35配信)