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今、日本では犬や猫といったペットが大ブームですが、それらのペットも高齢になると、人間同様の病状を示すようになってきます。
江戸時代に新しく入ってきた「蘭学」と区別するために従来の医療を「漢方」と呼びましたが、この漢方をペットにも応用しようという、犬・猫のための「ペット漢方セミナー」が11月3日、米沢市の伝国の杜で開催されました。主催したのは、ペットかんぽう事務局(米沢市)で、当日は約30人が参加しました。
セミナーでは、仙台市で漢方薬局運龍堂を営み、宮城伝統生薬研究会会長の佐藤貴繁氏が講演を行いました。佐藤氏は、ペットに漢方を応用する理由として、普段から健康に対する意識を高めることができることや、特に病名が付かない場合でも体質改善に応用できること、さらに普段の食事にプラスするだけで、日々のケアや予防ができることをあげました。
漢方の考え方は、人間も動物も自然の一部であることや、漢方薬は「気(熱)・血・水」の流れ(巡り)を正すことが究極の目的であるし、気の巡りが悪くなると、人間の場合はイライラがきつい、頭が重い、お腹が張った感じ、冷えのぼせなどが症状として出てきます。また、血の巡りが悪くなると、体内で停滞した血液「淤血(おけつ)」が発生し、各臓器や組織の血行を阻害させたり、皮膚の乾燥、毛髪の艶が無くなるといった症状が出てきます。
さらに水の巡りが悪いことを「水毒(すいどく)」といい、細胞同士の隙間にしみ出し排泄が悪くなり、体がむくみやすかったり、体が重いと感じたり、めまいや立ちくらみがあります。
佐藤氏は、この「気・血・水」の流れを正す漢方の素材を紹介し、ペット漢方を行った犬の給与前と給与後の写真を示しました。
ペット漢方は、人と比べて体重換算で使用するため、比較的安価であり、人間の場合よりも結果が出やすい特徴があり、ペットも人間と同じく、気・血・水の巡りが重要であり、人間は肌、ペットは毛並みが重要だとしました。最適な漢方薬のためには、問診は毎回行なうことを勧めました。
会場では、「気・血・水」を良くする漢方茶が参加者に振舞われました。
問い合わせ ペット漢方事務局 090−2951−5791
受付時間 10:00〜15:00 飯澤さんまで。
(2019年11月3日20:15配信)