山形河川国道事務所は、出水期を前にした5月14日、高畠町糠野目地内にある糠野目橋左岸で、排水ポンプ車の稼働点検と操作手順の確認、及び操作技術の向上を図るための訓練を行いました。
現在、同事務所は、寒河江市に2台、南陽市に2台の計4台の排水ポンプ車を配備し、自治体の要請があった場合、豪雨による河川の氾濫、道路冠水、家屋浸水などの内水被害の最前線へ速やかに駆けつけます。昨年10月の台風19号による水害発生時は、糠野目地区に排水ポンプ車1台が出動し、5本のポンプをフル使用して排水作業に当たりました。
排水ポンプ車は、全長8m、全幅2.3mの大きさの物で、自家発電機や1分あたり6㎥の能力を持つ5台の排水ポンプなどを積載し、最大1分あたり30㎥の排水ができます。排水ポンプの水中モータは自家発電機で作られた3相200ボルトの電源で駆動し、口径20センチ、長さ25mのホースが接続され、高さ8mまで揚水する能力があります。
この日訓練に参加したのは、排水ポンプ車操作・点検が8名(内水排除作業受注者:置賜建設株式会社)や水門等水位観測員2名、同事務所員など10名余りです。
訓練の説明後、クレーン付きトラックで2台の排水ポンプを吊り下げて川の中に沈め、自家発電機から電力が供給されると排水ポンプが動き出し、太いホースが水で膨らみ始め、堤防の反対側のホース出口から勢い良く水が噴き出しました。
排水ポンプ車は要請に基づき、山形県内だけでなく全国に出動する体制となっています。