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竹田 歴史講座

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西明寺(米沢市)「木造十一面観音坐像」保存修理が完成




 米沢市遠山にある西明寺(戸田清崇住職)の「木造十一面観音坐像」の保存修理が完成し、3月25日、報道陣向けに完成説明会が開催されました。
 この坐像は、昭和63年1月に米沢市指定文化財となったもので、像の高さは87センチ余り、台座は62センチ余りの大きさです。経年と東日本大震災の影響もあり大きく劣化が進み、平成25年度に同寺から米沢市教育委員会に状況が報告されました。その後、東北古典彫刻修復研究所と東北芸術工科大学の調査により、早急に保存修理が必要と判明しました。
 しかし、保存修理に要する費用が大きく、平成30年度に公益財団法人朝日新聞文化財団の助成が採択され、令和2年度から2カ年事業で保存修理を始めました。
 十一面観音は、深い慈悲により衆生から一切の苦しみを取り除き功徳を施す菩薩で、同寺は置賜三十三観音札所の一つとして知られています。像の中に記された銘から、天正16年(1588)に七条大仏師の康住と大貳により製作されたものです。室町時代後期に出羽国で仏像製作が行われていたことや、当時の一流仏師の作であることなど地方文化を知る手がかりを与えてくれる貴重なものと評価されています。
 修復では、ねずみによると思われる形状欠失や、剥落していた十一面の一部をもとに戻し、さらに蓮華部分は新たに製作して製作当初の5段にしました。また台座の構造材を強化するなど、今後100年間は保存修理の必要がないほど完全な形に整えました。
 西明寺ではこれまで坐像は観音堂に安置していましたが、今後は本堂に安置し、6月に開眼供養を行い一般公開も行うとしています。

問合せ 西明寺 TEL 0238-22-0568 戸田清崇住職