米沢市は、4月3日(土)、4日(日)の午前と午後の計4回にわたって、市民向けに市役所新庁舎の完成内覧会を開催しました。当初は120人の定員としていましたが、市民の関心が高く180人を超える人が参加予定です。
新市庁舎は、「市民に開かれた誰もが利用しやすいコンパクト庁舎」の設計方針のもと、現市庁舎敷地内の南西区域に、2019年7月から建設工事を開始しました。敷地面積は23,780㎡で、地下1階、地上4階、塔屋1階の鉄骨造の免震構造を採用しています。水害対策として1階床高を嵩上げしました。設計施工一括発注方式での発注を行い、設計施工、備品整備、現庁舎解体工事などを含んだ概算金額は71億円です。
はじめに、動画を使って新庁舎の概要が説明されました。その後に3班に分かれて各階を見学しました。
エントランスから受付左手には市民ホールが配置され、吹き抜けの天井や壁には米沢産の杉材が使用されて温かさを醸し出しています。また米沢名誉市民4名の額が掲載されています。
1階には市民環境部門、福祉部門、2階には税部門、産業建設部門が配置されており、廊下側には各課の窓口に仕切板が立られています。その仕切板には米沢織を使用し、米沢らしさを感じさせるものとなっています。職員の机はオープンスペースで、フロア全体が見渡せます。
3階は総務企画部門、庁議室、市長等エリアが用意されました。庁議室は、災害対策本部として使用できるように、電源ラインは非常用発電機から供給でき、3日分の燃料を備蓄するなど、停電などの緊急事態でも対応できます。
4階は議場フロアで、市当局と議員が近い間隔で対面するレイアウトとなっています。議場の机・椅子は、家具収納室に格納でき、オープンなスペースとして利用が可能です。議場の傍聴席は、車椅子や報道用テレビカメラなどが置けるスペースが用意されています。4階廊下には、2箇所の展望デッキがあり、晴天に恵まれた初日午前は、デッキから斜平山や西吾妻山を眺望することができました。
省エネルギーとしては、高断熱化や太陽光発電、地盤熱の利用、全館LED照明、エコボイドによる自然換気、雨水利用など、自然環境に優しい設計となっています。地下部分には、地震の際に威力を発揮する50基の免震ピットが配置されています。地震の際に、横方向の動きをけ書きする装置も取り付けられてあります。
会場には、免震体験車が置かれて、参加者は免震設備の効果を体験していました。新庁舎は5月5日に開庁セレモニーを開催し、5月6日より運用開始となります。