令和3年4月から米沢市立第四中学校1年生となった、米沢市中央1丁目在住の根津夢耀(ゆめあき)さん(12歳)は、HAMと言われるアマチュア無線技士の資格を有し、いま世界中のアマチュア無線仲間との交信を楽しんでいます。
夢耀さんは、令和元年9月、伝国の杜で開催された米沢市市制130周年記念式典に児童合唱クラブ員として出演した帰り、「やまがた県南アマチュア無線クラブ」(澁谷信行会長)が米沢市市制130周年として開局した記念局「8J7YONZW」を見て面白そうだと思ったそうです。その時、初めてアマチュア無線という趣味の世界があるのを知りました。
元々、電気関係のことが好きで、小学校5年生の時には、AM/FMラジオのキットを自ら半田ごてを持って製作したり、特定小電力無線機と言われる免許不要のトランシーバーで父親と通話を楽しんでいました。
記念局を見たことがきっかけで、アマチュア無線を始めたいと思い、講習会で資格を取得しようと考えましたが、新型コロナウイルスのため米沢市内の講習スクールが休校となりました。また学校も令和3年3月から5月まで休校となったため、この機会を利用してインターネットを使ったeラーニングで2ヶ月間あまり勉強しました。
その甲斐あって、4級国家試験に見事合格し、昨年7月20日にアマチュア無線局JP7XDOを開局しました。さらに同年9月の3級国家試験も見事合格して、電話とモールス通信の両方の操作が可能となりました。小学生が第3級国家試験に合格するのは極めて珍しいこととなっています。
東北総合通信局によれば、平成20年1月以降に生まれた人で、第4級及び第3級アマチュア無線技士の資格を有する人は、東北地方では24人(第4級及び第3級で一部重複あり)となっています。
開局する際、祖父が使用していた無線機を貰い受け、自動車に搭載するモービルアンテナをマンションのベランダに固定して、HFからUHFのバンドで運用しています。
今年4月には、「やまがた県南アマチュア無線クラブ」に入会し、ベテランのHAMと一緒に活動することになりました。昨年の開局以来、すでに300局を超える全世界のHAM仲間と交信をしています。今年3月には、HFバンドでFT8という通信方式でアメリカの無線局との交信にも成功しました。
無線をやって楽しいと思うことは、「電波が遠くまで届き、外国の人ともお話ができること」だそうです。現在、2級アマチュア無線技士の国家試験に向けて勉強中です。米沢の宝を電波に乗せて、世界に向けて発信して行ってくれるものと期待が膨らみます。