米沢市舘山5丁目にある舘山寺(山口卓道住職)で、5月13日、同寺が奉安する秘仏・虚空蔵菩薩御開帳大般若会が行われました。
舘山寺は天文2年(1533)、現在の白鷹町高玉にある瑞龍院第6世、月窓証印大和尚を勧請開山として、伊達家重臣の新田遠江守景綱(にったとおとうみのかみかげつな)が開基となって、舘山城の鎮守だった虚空蔵菩薩を広く民衆にもお参りできるように城郭の一部に御堂を建てたのが始まりです。
景綱は奥州藤原氏の藤原清衡(1056〜1128)の曽孫にあたる経衡の流れを汲む末裔で、戦国時代に置賜地方一帯を支配した大名、伊達14代稙宗から16代輝宗(政宗の父)の3代に渡って仕えました。
永禄11年(1568)には、現在の舘山浄水場の場所に大伽藍が築かれ、虚空蔵菩薩を祀り、延宝2年(1674)、現在地に移りました。舘山寺の御本尊は虚空蔵菩薩で、秘仏・虚空蔵菩薩は、高さが一寸三分(約39ミリ)あり、毎年5月13日、御開帳大般若会が行われています。昨年は新型コロナにより中止し、今年は僧侶8人と役員10人のみが出席して執り行いました。
山口住職を導師に、僧侶が読経を行う中で、参拝者は焼香を行いました。圧巻は、僧侶が大般若経100巻の経典の題目や要所の数行だけを読んで全文を読むことに代える「転読」と言われる作法で、お経本を左から右へ、右から左へと1回転がすようにめくっていきました。
山口住職は、新型コロナウイルスの消滅と檀信徒の家内安全や身体堅固などを祈祷、挨拶を行い大般若会を終了しました。