1613年、伊達政宗の命を受け、慶長遣欧使節団を率いてスペインに渡った支倉常長は、米沢市関地区が生誕地とされています。日本とスペインの交流の懸け橋となった常長の功績を讃え、その偉業の顕彰活動に取り組んでいる一般社団法人日西文化協会(九里廣志理事長)が主催する「日本・スペイン文化交流展 世界遺産サンティアゴ巡礼の旅写真展ー歩く心の旅ー」が6月26日から7月4日まで、市立米沢図書館ナセBAで開催されています。写真展初日11時からオープニングセレモニーが行われました。
今回開催された写真展は、駐日スペイン大使館が所蔵するルイス・オカニャ氏の作品28点で、フランスからピレネー山脈を経由してスペイン北部ガリシア州サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道のり900㎞に渡って続く巡礼の路を写したものです。1200年の歴史があるこの巡礼路は、ヨーロッパ文化交流の中枢となり、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教三大聖地の一つに数えられています。その巡礼で人は未知の自分を発見するために黄色いホタテ貝の標識を目印に、1日30㎞、1か月かけて歩き、世界中から多くの人が訪れています。1993年に、スペイン国内の「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」がユネスコの世界遺産に登録されました。
写真家ルイス・オカニャ氏(1959〜2010)は、スペイン・ガリシア州に生まれ、ユネスコ世界遺産撮影プロジェクトに参加し、特に「サンティアゴ巡礼の旅」の写真は、白黒写真により極限までの写実性を追求した詩的な芸術作品と言われ、ひとりひとりの心に深く語りかけるものとなっています。
同協会では、ナセBAを会場に6月29日〜7月4日まで、写真コンテスト「私のスペイン」を開催するほか、7月3日午後3時からは、支倉常長家第14代当主やスペイン在住ハポン協会長とオンラインでトークイベントを開催します。